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ITFコードとは?用途・作成方法・JANコードとの違いを解説

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ITFコードをご存じですか? 物流業界を中心に広く利用されるバーコード規格で、特に集合包装用商品コードの表示に適しています。 本記事では、ITFコードの概要や特徴、JANコードとの違い、用途や作成方法などを徹底解説します。 さらに、ITFコードが持つメリットやデメリット、国内規格であるITF-16との違いについても詳しく解説。 ITFコードに関する知識を深めたい方や活用を検討している方は必見です。

ITFコードとは?

概要

ITFコード(Interleaved Two of Five)は、物流業界で広く使用されるバーコード規格の一つです。特に集合包装用商品コードとして、段ボールや大型パッケージに印刷されることが多く、効率的な在庫管理や物流運用を支える重要なツールです。バーと空白を交互に配置し、非常に高い情報密度を実現しているバーコードです。

特徴

ITFコードの大きな特徴は、以下の通りです:

  • 高い記録密度:データを効率的に圧縮して表示可能。
  • 耐久性:粗い印刷でも比較的読み取りが容易。
  • 数字専用:使用できる文字は数字のみに限定。

使える文字の種類

ITFコードは、数字(0–9)のみを使用するバーコードです。英字や特殊記号は扱えません。

どのように生まれた?

ITFコードは、1970年代に物流業界のニーズを満たすために開発されました。データ密度が高く、印刷品質が劣化しても比較的読み取れる特徴が、物流現場において特に評価されました。

何の略?

ITFは“Interleaved Two of Five”の略で、データが2つのバーと3つのスペースの組み合わせで符号化される仕組みを指します。

桁数は?

ITFコードの桁数は、偶数桁のみで構成されます。特に一般的な規格として14桁(ITF-14)がよく利用されます。

メリット(記録密度が最も高い)

ITFコードは記録密度が高く、スペース効率に優れています。そのため、限られたスペースに多くのデータを印刷できる点が物流業界で重宝されています。

デメリット(桁落ち)

一方で、粗悪な印刷や損傷による“桁落ち”が発生しやすい点が課題です。これにより、読み取りエラーが発生する可能性があります。

規格

ISO/IEC16390として国際規格になっており、日本ではこれに準拠して2012年にJIS-X-0505として規格化されました。

ITFコードとJANコードの違いや関係は?

JANコードの前に1桁の物流識別コードを加えて、14桁にしたものがITFです。

ITFコードとJANコードは共に商品識別に用いられますが、その用途や構造には明確な違いがあります。

  • 用途:JANコードは小売商品に用いられるのに対し、ITFコードは物流・集合包装用に主に使用されます。
  • 桁数:JANコードは通常8桁または13桁ですが、ITFコードは14桁が一般的。


ITFコードの用途は?何のためにある?

物流商品コード(物流業)でよく使われる理由

ITFコードは、物流業界で主に集合包装された商品の識別に使用されます。大口の在庫管理や配送センターでの効率化が求められる場面で特に有用です。

日本での活用例

日本では、ITFコードを利用してGTIN(Global Trade Item Number、ジーティン)と呼ばれる14桁の集合包装用商品コードが広く利用されています。これにより、国際的な商品識別と流通が可能になっています

ITF-14とITF-16の違いは?

ITF-14

ITF-14は国際標準の14桁バーコードです。物流業界で主に採用されており、GTINに基づいた商品識別に適しています。

ITF-16

ITF-16は日本国内での物流ニーズに応じて規格化された16桁のバーコードです。国内特有の運用条件に対応するため、一部の業界で使用されています。

ITFコードを表示する位置

ITFシンボルは原則として箱の側面4つ全てに表示します。

4側面全てへの表示が難しい場合は長手の2側面への表示が推奨されます。

バーの下端と箱の底面との間は、32mm±3mmの範囲。水平方向の左右どちらかのコーナーからベアラバーまでが19mm以上の距離が必要です。

GS1

ITFコードの作成方法

では実際にUPCコードを作成してみましょう。ここではオンライン上で無料でUPCコードを作成することができるQR TOOLを使用します。

QR TOOLを使用する方法

1. QR TOOLにアクセスする

オンライン無料バーコード作成ツールのQR TOOLにアクセスします。

ITF(14桁)の場合はこちらから

ITF(16桁)の場合はこちらから

2. 数字を入力

 バーコード化したい数値を入力します。ITF-14の場合、チェックデジットは自動で計算されます。

3. ダウンロード

バーコードは数字を入力すると自動で生成されます。必要なオプション画像拡張子を指定をダウンロード可能です。

設定できるオプション

QR TOOLのバーコード作成機能では以下のオプションを設定することができます。

  • PNG/JPEG/WEBPから出力画像形式を選択
  • 背景/コード部分の色
  • 数字の表示有無
  • 数字のフォント/色/サイズ/位置(上下)
  • バーコードと数字のスペース
  • バーコードの太さ
  • バーコードの高さ
  • バーコードの余白
QR ENTRYでITFを作成する画面

ITFコードのチェックデジットの計算方法

ITFのチェックデジットは、誤りを検出するための数字で、最後の一桁がチェックデジットにあたります。

例:インジケータを「1」、事業者コードを「490123456789」とするとチェックデジットは「1」と計算されます。

全体: 「1490123456789」

ITFのチェックデジットを自動計算するツールはこちらをご利用ください

ITFのチェックディジット計算方法

  1. 奇数桁の数字を合計します(1桁目、3桁目、5桁目など)。例: 1+9+1+3+5+7+9= 35
  2. 合計値を3倍します。例: 35×3 = 105
  3. 偶数桁の数字を合計します(2桁目、4桁目、6桁目など)。例: 4+0+2+4+6+8= 24
  4. ステップ2とステップ3の合計を求めます。例: 109
  5. この合計を10で割り、余りを求めます。例: 9
  6. 余りを10から引いた値がチェックディジットとなります(10の場合は0)。例: 1

ITFコードを読み取るには?

バーコードスキャナーなどがお手元に無い方でも端末のカメラを起動しバーコードは読み取ることが可能です。

先ほどご紹介したQR TOOLではバーコードの読み取りも可能です。

1. QR TOOLへアクセスする

無料バーコード読み取りページへアクセスしてください。

2. カメラのアクセスを許可

「Start Scanning」からご利用の端末のカメラを起動します。

3. カメラにバーコードをかざす

カメラにバーコードをかざすと内容を読み取ることができます。読み取った内容は「読取履歴」に表示されます。

QR ENTRYでITFを読み取る画面

ITFコードと似ているコードは?(2of5)

前述の通りITFコードは5本の内2本が太い線になるので2of5と呼ばれています。

実はこの仕組みを採用しているバーコードは他にも存在しています。

インダストリアル2of5

名前の通り工業用として使用されていましたが、バー部分にしか情報を持たせていないので情報密度が低く、現在ではほとんど使用されていません。

マトリクス2of5

オランダのニーフ(Nieaf)社によって開発されたバーコードです。ITFと同様にバー部分と空白部分の両方に情報を持たせています。

COOP2of5

名前の通り生協で使用されているバーコードです。

IATA

国際航空輸送協会(IATA)が航空貨物を管理するために使用しているバーコードです。

まとめ: ITFコードとは

ITFコードは、物流業界を支える重要なバーコード規格です。

高い記録密度が評価され、多くの場面で活用されています。

JANコードとの関係や国内外の規格との違いを理解することで、適切な導入・運用が可能になります。

この記事を参考に、ITFコードの導入を検討してみてください。

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QR WORLD(QRワールド) 編集部

QRコード・バーコードの生成・読み取りシステムを開発してきた経験からお役立ち情報を発信しています。