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ITFコード(Interleaved Two of Five)は、物流業界で広く使用されるバーコード規格の一つです。特に集合包装用商品コードとして、段ボールや大型パッケージに印刷されることが多く、効率的な在庫管理や物流運用を支える重要なツールです。バーと空白を交互に配置し、非常に高い情報密度を実現しているバーコードです。
ITFコードの大きな特徴は、以下の通りです:
ITFコードは、数字(0–9)のみを使用するバーコードです。英字や特殊記号は扱えません。
ITFコードは、1970年代に物流業界のニーズを満たすために開発されました。データ密度が高く、印刷品質が劣化しても比較的読み取れる特徴が、物流現場において特に評価されました。
ITFは“Interleaved Two of Five”の略で、データが2つのバーと3つのスペースの組み合わせで符号化される仕組みを指します。
ITFコードの桁数は、偶数桁のみで構成されます。特に一般的な規格として14桁(ITF-14)がよく利用されます。
ITFコードは記録密度が高く、スペース効率に優れています。そのため、限られたスペースに多くのデータを印刷できる点が物流業界で重宝されています。
一方で、粗悪な印刷や損傷による“桁落ち”が発生しやすい点が課題です。これにより、読み取りエラーが発生する可能性があります。
ISO/IEC16390として国際規格になっており、日本ではこれに準拠して2012年にJIS-X-0505として規格化されました。
結論、JANコードの前に1桁の物流識別コードを加えて、14桁にしたものがITFです。
JANコードをITF-14(GTIN-14)にするには以下のステップを踏む必要があります。
またITFコードとJANコードは共に商品識別に用いられますが、その用途や構造には明確な違いがあります。
JANコードは小売商品に用いられるのに対し、ITFコードは物流・集合包装用に主に使用されます。
JANコードは通常8桁または13桁ですが、ITF-14では14桁になります。
ITFコードは、物流業界で主に集合包装された商品の識別に使用されます。大口の在庫管理や配送センターでの効率化が求められる場面で特に有用です。
日本では、ITFコードを利用してGTIN(Global Trade Item Number、ジーティン)と呼ばれる14桁の集合包装用商品コードが広く利用されています。これにより、国際的な商品識別と流通が可能になっています
ITF-14は国際標準の14桁バーコードです。物流業界で主に採用されており、GTINに基づいた商品識別に適しています。
ITF-16は日本国内での物流ニーズに応じて規格化された16桁のバーコードです。
かつては国際EAN協会(現在のGS1)が14桁を国際的な標準と定めた上で、国内用として16桁も認めていました。特定の業界団体では16桁が利用していました。
ITF-16は2010年の4月以降には使用が廃止されITF-14の使用が推進されています。
ITFシンボルは原則として箱の側面4つ全てに表示します。
4側面全てへの表示が難しい場合は長手の2側面への表示が推奨されます。
バーの下端と箱の底面との間は、32mm±3mmの範囲。水平方向の左右どちらかのコーナーからベアラバーまでが19mm以上の距離が必要です。
GS1
ITFには黒い枠のような線がバーコードについていることが多くあります。
この黒い枠はベアラバーと呼ばれ、印刷精度を向上させ、読取ミスを低減させるものです。
ITF-14・GTIN-14のバーコードシンボルのサイズには規定があります。
横幅(ベアラバーを含む): 152.40mm
高さ(ベアラバーを含む): 41.40mm
ベアラバーの幅: 4.83mm
このサイズはGS1の国際標準では横幅のみ0.625倍まで縮小することが認められています。(しかし読み取りの精度を確保するために可能な限り標準のサイズに近くすることが推奨されています)
従来、日本国内では標準サイズの0.625倍から1.2倍の範囲で横幅・高さともに拡大・縮小ができるとされていましたが現在の国際標準では0.625倍の横幅の縮小のみ認められています。
出典: GS1
では実際にUPCコードを作成してみましょう。ここではオンライン上で無料でUPCコードを作成することができるQR TOOLを使用します。
オンライン無料バーコード作成ツールのQR TOOLにアクセスします。
ITFやITF-14・GTIN-14(14桁)の場合はこちらから
バーコード化したい数値を入力します。ITF-14の場合チェックデジットを除く13桁を入力すればチェックデジットは自動で計算されます。
バーコードは数字を入力すると自動で生成されます。必要なオプション画像拡張子を指定をダウンロード可能です。
QR TOOLのバーコード作成機能では以下のオプションを設定することができます。
ITFのチェックデジットは、誤りを検出するための数字で、最後の一桁がチェックデジットにあたります。
例:インジケータを「1」、事業者コードを「490123456789」とするとチェックデジットは「1」と計算されます。
全体: 「1490123456789」
ITFのチェックデジットを自動計算するツールはこちらをご利用ください
バーコードスキャナーなどがお手元に無い方でも端末のカメラを起動しバーコードは読み取ることが可能です。
先ほどご紹介したQR TOOLではバーコードの読み取りも可能です。
無料バーコード読み取りページへアクセスしてください。
「Start Scanning」からご利用の端末のカメラを起動します。
カメラにバーコードをかざすと内容を読み取ることができます。読み取った内容は「読取履歴」に表示されます。
前述の通りITFコードは5本の内2本が太い線になるので2of5と呼ばれています。
実はこの仕組みを採用しているバーコードは他にも存在しています。
名前の通り工業用として使用されていましたが、バー部分にしか情報を持たせていないので情報密度が低く、現在ではほとんど使用されていません。
オランダのニーフ(Nieaf)社によって開発されたバーコードです。ITFと同様にバー部分と空白部分の両方に情報を持たせています。
名前の通り生協で使用されているバーコードです。
国際航空輸送協会(IATA)が航空貨物を管理するために使用しているバーコードです。
ITFコードは、物流業界を支える重要なバーコード規格です。
高い記録密度が評価され、多くの場面で活用されています。
JANコードとの関係や国内外の規格との違いを理解することで、適切な導入・運用が可能になります。
この記事を参考に、ITFコードの導入を検討してみてください。
QR WORLD(QRワールド) 編集部