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日本のJANコードは海外で使える?EAN・UPCとの互換性と国コードを解説

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「日本の商品を、海外の店舗やECサイトで販売したい」 「海外から輸入した商品、日本のレジで読み取れるの?」 ビジネスのグローバル化が進む中で、商品の識別コードである「JANコード」が海外でどのように扱われるのか、気になっている事業者様も多いのではないでしょうか。 結論から申し上げますと、日本のJANコードは、世界中のほとんどの国でそのまま使用することができます。 新しく海外用のバーコードを取り直す必要はありません。 この記事では、なぜ日本のJANコードが世界で通用するのか、その理由となる国際規格「EAN」「UPC」との関係性から、バーコードの数字でわかる「国コード」の見方、そして海外ビジネスで注意すべきポイントまで、詳しく解説していきます。

結論:日本のJANコードは、世界で使える「共通のパスポート」

>>【基本記事】JANコード/EANコードとは?仕組みや構造を解説

なぜ日本のJANコードが海外で使えるのか?それは、JANコードが国際的な標準規格である「EAN(イアン)コード」の一種だからです。

日本で発行されたJANコードは、いわば「日本国籍のEANコード」。EANという世界共通のルールに基づいているため、国際的な「パスポート」のように、世界中の国々で通用するのです。


なぜ使える?JAN・EAN・UPCの国際的な関係性

JANコードの国際的な互換性を理解するために、3つの主要な商品コードの関係性を整理しましょう。

EAN (European Article Number)

ヨーロッパで生まれ、今やアメリカ・カナダを除く世界100カ国以上で使われている、最も標準的な国際商品コードです。標準タイプは13桁で構成されます。

JAN (Japanese Article Number)

日本の国内におけるEANコードの統一名称です。JANコードはEANコードと全く同じ規格であり、EANコードの中で、日本の国コード(45または49)から始まるものが「JANコード」と呼ばれているに過ぎません。

UPC (Universal Product Code)

アメリカとカナダで広く利用されている商品コードです。標準タイプは12桁ですが、EANと完全な互換性があり、日本のEAN/JAN対応スキャナ(POSレジなど)でも問題なく読み取ることができます。

>>UPCをより深く解説した記事はこちらから

このように、JANコードは国際規格EANそのものであるため、EANが導入されている国であれば、どこでも問題なく利用できるのです。

バーコードで国がわかる?「国コード」の見方

JAN/EANコードの最初の2桁または3桁は「国コード(GS1プリフィックス)」と呼ばれ、そのバーコードの事業者コードがどの国で登録されたかを示しています。

国コード
国・地域
450~459
日本
490~499
日本
000~139
アメリカ・カナダ
300~379
フランス
400~440
ドイツ
500~509
イギリス
690~699
中国
880
韓国

【重要な注意点】

この国コードは、あくまで「事業者がどこの国のGS1で登録手続きをしたか」を示すものであり、製品の「原産国」を示すものではありません。 例えば、日本の企業(国コード45)がベトナムの工場で製造した商品でも、バーコードは「45」から始まります。

【実践】海外ビジネスで注意すべきポイント

JANコードが海外で使えることは分かりましたが、実際に商品を輸出入する際には、いくつか注意すべき点があります。

1. 新しいバーコードを取得する必要はない

最も重要な点として、輸出先の国ごとに新しいバーコードを取得する必要は一切ありません。日本で取得したJANコードをそのまま商品に付けて輸出できます。

2. 商品情報の登録は別途必要

バーコードの番号は世界共通ですが、その番号に紐づく「商品名」「価格」「商品説明」などの情報は、各国の販売先(小売店やECプラットフォーム)に別途登録する必要があります。バーコードを貼るだけでは、海外のレジで商品情報が自動的に表示されるわけではないので注意しましょう。

3. 各国のラベリング規制を確認する

バーコードとは別に、国や地域によっては、成分表示やアレルギー表示など、商品パッケージに関する独自の法規制(ラベリング規制)が存在します。輸出を検討する際は、必ず現地の規制内容を確認するようにしましょう。

日本で売られている輸入の食品などにシールが貼られているのを見たことがあるでしょうか。逆に日本から輸出する場合には輸出先の法規制に則った対応が必要な場合があります。

まとめ: JANコードの海外での利用について

日本のJANコードと海外での利用について、重要なポイントを以下にまとめます。

  • 日本のJANコードは、国際規格EANの一種であるため、海外でもそのまま使える。
  • アメリカのUPCとも互換性があり、世界のほとんどの小売店で読み取り可能。
  • バーコードの最初の数字「国コード」は、原産国ではなく、事業者が登録した国を示す。
  • 海外で販売する際は、バーコード自体は共通でも、商品情報の登録は各販売先で必要(商品マスターデータベースへの登録)になる。

JANコードのグローバルな互換性を正しく理解し、安心して海外展開や輸入ビジネスに取り組んでください。

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QR WORLD(QRワールド) 編集部

QRコード・バーコードの生成・読み取りシステムを開発してきた経験からお役立ち情報を発信しています。

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