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ISSNはInternational Standard Serial Numberの略で、新聞や雑誌、学術誌などの定期刊行物に割り当てられる一意の識別番号です。これは、国際的に統一されたフォーマットで管理されており、定期刊行物の識別や流通を容易にする目的で運用されています。
ISSNは、単発で刊行される書籍ではなく、継続的に発行される定期刊行物(新聞、雑誌、学術ジャーナルなど)に適用されます。発行形態に関わらず、紙媒体・電子媒体の両方に対応し、異なるメディア形態で発行される場合は、それぞれ異なるISSNが付与されることがあります。
例えば、有名な科学誌「Nature」のISSNは 0028-0836 、「Science」のISSNは 0036-8075 です。これらの番号は世界共通で管理されており、図書館や書店、出版業界での検索や管理に利用されています。
ISSNと似ている記号にISBNがあります。ISSNは8桁で定期刊行物に付与されますがISBNは13桁で書籍に付与される一意の記号です。
ISBNの詳細の解説はこちらをご参照ください。
ISSNは8桁の記号ですが、前半4桁は国を指し、続く3桁は一意の記号、最後の1桁は検査文字と呼ばれます。
検査文字は後述するモジュラス11という計算方法によって先頭7桁から計算することができます。
ISSNの最後の1桁は以下のように計算を行います。
「ISSN 0028-0836」を例として考えます。
検査文字を除く7桁の数字部分に8から階段状に数字をかけていきます。
(0 × 8) + (0 × 7) + (2 × 6) + (8 × 5) + (0 × 4) + (8 × 3) + (3 × 2) = 82
STEP1の数字を11で割った際の余りを計算します。
82 % 11 = 5
11からSTEP2の計算結果を引き算します。
11 - 5 = 6
今回の計算例の「ISSN 0028-0836」の末尾の「6」一致しました。
STEP3の計算結果が「11」の場合は「0」、「10」の場合は「X」が末尾になります。
以下の手順で上記の検査文字を自動で出力することができます。
オンライン上で利用できるので試してみてください。
ISSNをJANコード(バーコード規格)に変換する場合、通常は以下のフォーマットに従います。
例えば「ISSN: 1234-5679」を13桁に直すと「977-1234-567-00-3」となります。
13桁に直す際の最後の1桁はチェックデジットですが、モジュラス10という計算方法が採用されています。これはJANコード(EAN)のチェックデジットの計算方法と同じです。
解説上、手動で計算しましたが、実際には自動計算ツールをご利用ください。
ISSNを使用することで、特定の雑誌や新聞がどのようなものかを特定できます。例えば、
など、学術・出版業界で広く利用されています。
ここでは実際にISSNを13桁に直しバーコードシンボルを作成する方法をご紹介します。
無料・登録不要・商用利用可能なので気軽に試すことができます。
ISSNバーコードはJANコードが利用されています。
JANコードは以下の、バーコードリーダーで簡単にスキャンすることができます。画像を選択するか端末のカメラをスキャナーとして利用することができます。
読み取った値をCSVでダウンロードすることもできるので後述する検索方法と合わせてご活用ください。
ISSNを調べる方法はいくつかありますがここでは二つご紹介します。
日本国内の定期刊行物を検索する場合、国立国会図書館サーチを利用すると便利です。
ISSNの公式データベースであるISSN Portal(https://portal.issn.org/)では、世界中のISSNを検索できます。
ISSNは付与要件を満たせば自動的に付与されるのでしょうか?
結論、ISSNは自動で付与されるものではなく、発行者が申請する必要があります。新しい雑誌や新聞を発行する場合、日本ISSNセンターへ登録申請が必要です。
ISSNを取得するには、各国のISSNセンターへ申請します。日本では「国立国会図書館内の日本ISSNセンター」が窓口となっています。
ISSNを発行するための費用は掛かりません。(無料)
手続きはこちらのページをご参照ください。
WEB上または申請書から申し込むことができます。
ISSNが付与された際には出版物にISSNを表示の上、有体の出版物の場合には、ISSN日本センターへの納本が必要です。
オンラインジャーナルの場合には、ISSN日本センターへ公開通知書をご提出する必要があります。
では取得したISSNはどのように、どこに表示するのが良いでしょうか?
8桁の数字を4桁ずつハイフンで分離して、頭に大文字のISSNおよび半角スペースを冠し、次のような形で表します。
例)ISSN 1234-5679
他の媒体のISSNを併記する場合は、次のように区別して表示します。
例)ISSN 1234-5679 (Print) ISSN 9876-5434 (Online)
各号の表紙の右上が推奨されていますが体裁上必要であれば下記のように別の場所への表記が認められます。
(ただし、体裁等の関係で所定の位置への表示が困難な場合には、表紙のその他の位置、裏表紙、標題紙または奥付等の確認しやすい位置)
出典: 国立国会図書館
パッケージ系電子出版物(CDなど)については各号のディスクのラベルや容器、タイトル画面等に表示します。
オンラインジャーナルの場合はWEBページの先頭、もしくは巻号一覧が掲載されているページにタイトルとセットで表示します。
ISSNは定期刊行物を識別する重要な番号です。
検索や取得方法を理解し、適切に活用することで、発行物の管理や流通をスムーズに行うことができます。
ISSNの取得は任意ですが、新しく定期刊行物を発行する場合は、ぜひISSNを申請し、活用しましょう。
QR WORLD(QRワールド) 編集部