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白抜きQRコードは読み取れない?作成時の注意点と安全な作り方を解説

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Webサイトやポスターのデザインに合わせて、「背景を黒にして、QRコードを白抜きにしたい」と考えたことはありませんか? 白黒反転させたQRコードは、通常のものとは一味違った、スタイリッシュでデザイン性の高い印象を与えます。 しかし、安易に作成してしまうと、「一部のスマホで読み取れない」「特定のアプリで反応しない」といった深刻なトラブルにつながる可能性があります。 この記事では、なぜ白抜きQRコードが読み取れないことがあるのか、その理由と、読み取り精度を落とさずに安全な白抜きQRコードを作成するための重要な注意点を、初心者の方にも分かりやすく解説します。

スマートフォンは白抜きのQRコードの読み取りに対応しているのか?

結論として多くのスマートフォンの標準機能でも白抜きのQRコードに対応しています。

以下の機能やアプリで白抜きのQRコードを読み取ることができました。

  • iPhoneの標準カメラ
  • Androidスマートフォン(Google Pixel) 標準カメラ
  • Android Googleレンズ
  • AndroidクイックアクセスのQRコードスキャン機能

試すことができた機能では全て白黒反転したQRコードを読み取ることができました。

[読み取りテストに使用したQRコード]

読み取りテストに使用したQRコード

とはいえ、全ての環境で白抜きのQRコードが読み取れると断言することはできません。

なぜ白抜きQRコードは読み取れないことがあるのか?

結論から言うと、白抜きQRコードが読み取れない主な原因は、「QRコードリーダー(スキャナー)アプリの仕様」にあります。

QRコードの規格では、コードの領域を「明るい色の背景」と「暗い色のドット」で構成するように定められています。

多くのQRコードリーダーアプリ、特に古いバージョンのアプリやシンプルな設計のものは、この規格に厳密に従い、「白い背景の中にある黒い点を探す」ようにプログラムされています。

そのため、色が反転した白抜きQRコードをかざしても、アプリが「これはQRコードではない」と判断してしまい、結果として「読み取れない」という現象が発生するのです。

前述のように最近のスマートフォンの標準カメラや高機能なリーダーアプリは、白黒反転にも対応していることが多いですが、全てのユーザーが同じ環境ではないということを念頭に置く必要があります。

メリットは?白抜きQRコードを使う目的

読み取りのリスクがあるにもかかわらず、なぜ白抜きQRコードは使われるのでしょうか。その理由は、主にデザイン面でのメリットにあります。

1. デザイン性の向上と差別化

通常の黒いQRコードとは異なる、白黒反転したデザインは、それだけでモダンでスタイリッシュな印象を与えます。 Webサイトや印刷物のデザインにアクセントを加え、ありきたりなQRコードとの差別化を図ることができます。

2. ブランドイメージの統一

企業のブランドカラーが黒や紺といったダーク系の場合、通常の白い背景のQRコードを配置すると、その部分だけが浮いてしまい、デザイン全体の統一感を損なうことがあります。 白抜きQRコードを使えば、ダーク系の背景に自然に溶け込ませることができ、ブランドイメージを損なうことなく、洗練されたデザインを維持できます。

3. 注目を集め、スキャンを促す効果

見慣れない白抜きQRコードは、ユーザーの目に留まりやすく、「これは何だろう?」という好奇心を引く効果が期待できます。デザインの中で視覚的なフック(引っかかり)となることで、ユーザーの注意をQRコードに向けさせ、スキャンを促すきっかけにもなり得ます。

白抜きQRコードの例

このように、白抜きQRコードはデザイン面で大きなメリットがありますが、その効果を最大限に発揮させるためにも、次に解説する「読み取りやすさ」を確保するための注意点を必ず守ることが大前提となります。

安全な白抜きQRコードを作成するための3つの鉄則

「それでも、どうしてもデザインのために白抜きQRコードを使いたい!」という場合、以下の3つの鉄則を必ず守ることで、読み取りエラーのリスクを大幅に減らすことができます。

鉄則1:コントラスト(色の差)を最大限に確保する

これは最も重要なポイントです。背景色とQRコードのドットの色は、誰が見ても明確に区別できる、はっきりとした色の組み合わせにしてください。

良い例: 純粋な黒背景に、純粋な白のドット

黒背景に白のドット

悪い例: 

  • 濃いグレーの背景に、薄いグレーのドット
  • 背景やドットにグラデーションや模様が入っている
  • 写真やイラストの上に直接QRコードを重ねている
濃いグレー背景に濃いドットを重ねる

中途半端な色の組み合わせは、読み取りエラーの最大の原因です。

鉄則2:十分な「余白(クワイエットゾーン)」を確保する

QRコードの周囲には、他のデザイン要素が入り込まない「余白(クワイエットゾーン)」が絶対に必要です。

>> QRコードの周囲に必要な余白クワイエットゾーンとは?

特に白抜きQRコードの場合、この余白がコード本体と同じ「明るい色」で確保されていることが重要になります。

リーダーアプリは、この余白を頼りに「どこからどこまでがQRコードか」を判断します。目安として、QRコードの最も外側のドット4個分以上の余白を、四方すべてに必ず設けてください。

QRコードの余白の良い例・悪い例

鉄則3:徹底的に「テスト読み取り」を行う

作成が完了したら、それで終わりではありません。必ず、複数の異なる環境でテストすることがおすすめです。

  • 複数のデバイスで: iPhone、Androidの両方で試す。
  • 複数のアプリで: 標準カメラアプリ、LINE、その他のQRコードリーダーアプリなど、できるだけ多くのアプリで試す。
  • 可能であれば、複数の人に試してもらう。

オンラインでもQRコードリーダーを試す場合は以下の無料ツールがおすすめです。

>> 無料オンラインQRコード読み取り

白抜きQRコードの作成方法

上記の注意点を理解した上で、実際に白抜きQRコードを作成してみましょう。 弊社の無料ツール「QR TOOL」を使えば、簡単に作成できます。

  1. QR TOOL」にアクセスし、URLなどの情報を入力して通常通りQRコードを作成します。
  2. デザイン設定の項目で、「背景色」を黒などの暗い色に、「ドットの色」を白などの明るい色に設定します。
  3. 作成されたQRコードを「保存」ボタンからダウンロードします。
STEP1
STEP2背景を選択肢ダウンロード

>> 無料で使える「QR TOOL」はこちら

まとめ:利用は慎重に。読みやすさを最優先する

白抜きQRコードは、デザインのアクセントとして非常に魅力的ですが、常に「読み取れないリスク」を内包していることを忘れてはいけません。

  • 決済やチケットなど、失敗が許されない重要な用途での使用は避ける。
  • デザイン性よりも、誰もが確実に読み取れる「読みやすさ」を最優先する。
  • コントラスト、余白、テスト読み取りの3つの鉄則を必ず守る。

筆者の意見としてはiPhone・Androidスマホで読み取ることができるので例えば名刺などに白抜きQRコードを利用することは特に問題ないと考えますが、あくまでこれらの点を十分に理解した上で、慎重に活用するようにしましょう。

>> 参考記事1: QRコードの色を変える方法・背景との関係・読み取り性能を解説 

>> 参考記事2: QRコードの背景を透過する方法、注意点や活用法を解説

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QR WORLD(QRワールド) 編集部

QRコード・バーコードの生成・読み取りシステムを開発してきた経験からお役立ち情報を発信しています。

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