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結論として多くのスマートフォンの標準機能でも白抜きのQRコードに対応しています。
以下の機能やアプリで白抜きのQRコードを読み取ることができました。
試すことができた機能では全て白黒反転したQRコードを読み取ることができました。
[読み取りテストに使用したQRコード]
とはいえ、全ての環境で白抜きのQRコードが読み取れると断言することはできません。
結論から言うと、白抜きQRコードが読み取れない主な原因は、「QRコードリーダー(スキャナー)アプリの仕様」にあります。
QRコードの規格では、コードの領域を「明るい色の背景」と「暗い色のドット」で構成するように定められています。
多くのQRコードリーダーアプリ、特に古いバージョンのアプリやシンプルな設計のものは、この規格に厳密に従い、「白い背景の中にある黒い点を探す」ようにプログラムされています。
そのため、色が反転した白抜きQRコードをかざしても、アプリが「これはQRコードではない」と判断してしまい、結果として「読み取れない」という現象が発生するのです。
前述のように最近のスマートフォンの標準カメラや高機能なリーダーアプリは、白黒反転にも対応していることが多いですが、全てのユーザーが同じ環境ではないということを念頭に置く必要があります。
読み取りのリスクがあるにもかかわらず、なぜ白抜きQRコードは使われるのでしょうか。その理由は、主にデザイン面でのメリットにあります。
通常の黒いQRコードとは異なる、白黒反転したデザインは、それだけでモダンでスタイリッシュな印象を与えます。 Webサイトや印刷物のデザインにアクセントを加え、ありきたりなQRコードとの差別化を図ることができます。
企業のブランドカラーが黒や紺といったダーク系の場合、通常の白い背景のQRコードを配置すると、その部分だけが浮いてしまい、デザイン全体の統一感を損なうことがあります。 白抜きQRコードを使えば、ダーク系の背景に自然に溶け込ませることができ、ブランドイメージを損なうことなく、洗練されたデザインを維持できます。
見慣れない白抜きQRコードは、ユーザーの目に留まりやすく、「これは何だろう?」という好奇心を引く効果が期待できます。デザインの中で視覚的なフック(引っかかり)となることで、ユーザーの注意をQRコードに向けさせ、スキャンを促すきっかけにもなり得ます。
このように、白抜きQRコードはデザイン面で大きなメリットがありますが、その効果を最大限に発揮させるためにも、次に解説する「読み取りやすさ」を確保するための注意点を必ず守ることが大前提となります。
「それでも、どうしてもデザインのために白抜きQRコードを使いたい!」という場合、以下の3つの鉄則を必ず守ることで、読み取りエラーのリスクを大幅に減らすことができます。
これは最も重要なポイントです。背景色とQRコードのドットの色は、誰が見ても明確に区別できる、はっきりとした色の組み合わせにしてください。
中途半端な色の組み合わせは、読み取りエラーの最大の原因です。
QRコードの周囲には、他のデザイン要素が入り込まない「余白(クワイエットゾーン)」が絶対に必要です。
特に白抜きQRコードの場合、この余白がコード本体と同じ「明るい色」で確保されていることが重要になります。
リーダーアプリは、この余白を頼りに「どこからどこまでがQRコードか」を判断します。目安として、QRコードの最も外側のドット4個分以上の余白を、四方すべてに必ず設けてください。
作成が完了したら、それで終わりではありません。必ず、複数の異なる環境でテストすることがおすすめです。
オンラインでもQRコードリーダーを試す場合は以下の無料ツールがおすすめです。
上記の注意点を理解した上で、実際に白抜きQRコードを作成してみましょう。 弊社の無料ツール「QR TOOL」を使えば、簡単に作成できます。
白抜きQRコードは、デザインのアクセントとして非常に魅力的ですが、常に「読み取れないリスク」を内包していることを忘れてはいけません。
筆者の意見としてはiPhone・Androidスマホで読み取ることができるので例えば名刺などに白抜きQRコードを利用することは特に問題ないと考えますが、あくまでこれらの点を十分に理解した上で、慎重に活用するようにしましょう。
QR WORLD(QRワールド) 編集部