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ISBN、書籍JANコード、日本図書コードは互いに関わっています。簡単にまとめると「ISBNコード」は「書籍JANコード」の1行目と一致します、2行目には書籍の分類や定価などの情報が入っており、「書籍JANコード」を文字にしたのが日本図書コードという関係です。
以下に詳しく解説します。
ISBN(International Standard Book Number)は、書籍ごとに付与される国際標準の識別番号です。
世界中の書籍を一意に識別するために使用され、商業出版物や図書館の蔵書管理などに役立てられています。
ISBNコードは通常、13桁の数字で構成されており新刊には13桁が必ず使用されます。2007年以前は10桁の形式も使用されていました。
ISBNコードの13桁は書籍JANコードの1行目と一致します。
日本図書コードを作成するのに必要となります。
一方、書籍の裏表紙に印刷されている2段のバーコードのことを「書籍JANコード」と呼びます。ISBNを基にしたバーコード形式(EAN13)で表示されます。
1行目はISBNコード、2行目は分類や定価などの情報が含まれています。
例: 9784949999120 1923000020009
これにより、書店や流通業者がスキャンするだけで書籍の情報を瞬時に取得できる仕組みとなっています。
日本図書コードはISBN(Internatinal Standard Book Number)コード(13桁)、分類コード(4桁)、価格コード(5桁)を組み合わせたものです。1981年以降日本図書コードが使用され始めました。
例: ISBN-978-4-949999-12-0 C3000 ¥2000E
分類コードはCから続く4桁の数字で1桁目は読者対象、2桁目は発行形態、3桁目は大分類、4桁目は中分類を表し、販売管理や売上の分析、商品陳列などに役立ちます。
「¥」から続く数字は書籍の定価(税抜)を表しています。書籍が10万円未満の場合「¥」で始め 5 桁以内で表示します。
例) 90,000円→¥90000E
例) 1,000円→¥1000E(0で埋める必要はない)
書籍の定価が 10 万円を超えるものと非再販本は、00000(5 桁で表記)と表示します。
例)110,100円→¥00000E
日本図書コードは通常OCR(Optical Character Recognition=光学式文字 認識)で読み取られます。
ISBNは、以下の要素で構成されています。
ISBNの先頭は必ず「978」という数字になります。
これはこのJANコードがISBNであるというフラッグになります。
日本国内で発行される書籍には「4」の国記号が付与されます。
出版社記号は6桁から8桁の番号で日本図書コード管理センターに申請して取得します。
ISBNは13桁であることから出版社記号の桁数で付番できる書籍数に違いがあります。
出版社記号の桁数は発行計画(書名数)に合わせて選択可能です。
現在使用中の出版者記号での書名記号を使い切った(使い切ることが確実である)場合、新たに出版社記号を追加で日本図書コード管理センターへ申請することができます。
その際の桁数と費用は以下の通りです。
書名コードは出版社が任意につけるコードです。出版社コードの桁数によって発行できる書名コード数が異なります。(前述の表をご参照ください。)
最後の1桁は必ずチェックデジットとなります。1-4までの合計12桁を用いて以下のような計算を行います。
a=978から始まる ISBN の奇数の桁の数字の合計 × 1
b=978から始まる ISBN の偶数の桁の数字の合計 × 3
a+bの合計数字の下一桁の数字を 10 から引いた数字(補数)がチェックデジットです。
JANコードと同じ計算方法(モジュラス10/3ウェイト)なので以下のページを参考にしてください。
これはこのJANコードがISBNの2段目であるというフラッグになります。
次に4桁の図書分類が入ります。
次に税抜本体価格が5桁で入ります。例えば900円の時は「00900」となります。
1行目の計算方法と同様です。
ISBNが示す情報には以下のようなものがあります。
書店や図書館での書籍管理、オンライン書店での検索、販売管理など、幅広い場面で活用されています。
ISBN(書籍JANコード)を取得するには以下のようなステップを踏む必要があります。
日本図書コード管理センターへホームページ上(外部URL)から申請を行いISBN出版社記号を取得します。
出版社記号の登録費用・追加登録費用は前述の通りです。
出版社記号の申請とは別に書籍JANコードを使用するためにはGS1(一般財団法人流通システム開発センター)への申請も必要です。書籍JANコードの申請にあたってはISBN出版社記号を取得していることが必要です。
登録・更新には申請料がかかりますが、全書籍の年間売上高合計に応じて変動します。申請料は3年間税込の費用です。
出典: GS1
GS1は、商品やサービスの識別コードを国際的に標準化する非営利団体です。GS1システムは世界的に使用されており、JANコードやEANコードの発行を行っています。
申請が完了すると書籍JANコードを使用できるようになります。バーコードシンボルは後述するオンラインツールで無料で簡単に作成することができます。
ここでは実際にISBN(書籍JANコード)バーコードを作成する方法をご紹介します。
無料・登録不要・商用利用可能なので気軽に試すことができます。
ISBNは以下の方法で読み取ることができます。画像を選択するか端末のカメラをスキャナーとして利用することができます。
ISBNを使用して書籍を検索する方法はいくつかあります。
Amazonや楽天ブックスなどのオンライン書店では、検索バーにISBNを入力することで、該当の書籍をすぐに見つけることができます。
国立国会図書館や大学・公共図書館の蔵書検索システム(OPAC)では、ISBNを使って蔵書情報を調べることができます。
「ISBN検索」でアプリを検索するとバーコードスキャナーを内蔵した読書管理アプリなども存在します。バーコードをスキャンして簡単に書籍情報を管理できます。
日本では1981年から10桁のISBNが利用されてきましたが2007年より、それまでの10桁からプレフィックスの「978」を追加された13桁に変更されました。
ISBN(書籍JANコード)を表示する位置や方法には以下のような決まり事があります。お持ちの本でも以下の通りになっているはずです。
詳しくはISBN利用の手引きをご参照ください。
ISBNとISSNは、それぞれ異なる目的で使用され、ISBNは書籍ごとに付与される一意の識別番号、ISSNは定期刊行物(雑誌や新聞など)に付与される識別番号です。
書籍ごとに付与される一意の識別番号。一冊ごとに異なる番号が割り振られる。
定期刊行物(雑誌や新聞など)に付与される識別番号。連載物やシリーズ物の出版物を識別するために使用される。
現在、商業出版で流通されている書籍にはISBNは「我が国における商業出版物のほぼ 100%に ISBN が付番されている」(出典: 日本図書コード管理センター)とのことです。
一方、これは法的な拘束力のあるものではありません。以下場合によって詳しく見ていきます。
ISBNは取次店・書店を通して流通される出版物に付番されるものなので自費出版の場合ISBNコードは付番する必要は必ずしもありません。
一方、出版社記号は法人・個人を問わずに取得できるものなので個人で取得することもできますが、一定の手続きや費用が発生します。
出版には「商業出版」と「自費出版」があり、製作費を出版社が負担し、著者は印税を受け取るものを「商業出版」、著者が製作費を負担するものを「自費出版」と言います。
Web 上で提供される電子書籍・eブック(編集・記録された内容が、利用者によって改編・更新が不可能である発行物)に対しても ISBN コードを付与することができる。ただし、Web マガジンを含む雑誌は除く。
(出典: 日本図書コード管理センター)
上記のように定められているので電子書籍でもISBNは付番されます。
以下のようなものにはISBNは付与できないとされています。(一部抜粋)
などです。
全てのリストは日本図書コード管理センターの手引きをご参照ください。
ISBN(書籍JANコード)は、書籍を識別するための国際標準のコードであり、書店や図書館、オンラインショップでの書籍管理や検索に欠かせないものです。ISBNは13桁の数列で構成され、2007年以前には10桁の形式が使用されていました。
ISBNは、日本図書コード管理センターで取得することができ、出版社や個人出版者が書籍に付与することで、書籍の識別や流通を円滑に行うことが可能となります。また、スマートフォンアプリやバーコードリーダーを使用して簡単に検索・確認できる便利な仕組みが整っています。
ISBNの適切な取得・利用を行うことで、書籍の管理や販売をスムーズに進めることができます。
QR WORLD(QRワールド) 編集部