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文字入りQRコードの作成方法と注意点|読み取れる作成のコツ

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作成したQRコードを見て、「この中央に『スキャンしてね!』のような文字を入れたい」「もっと目立たせるための言葉を入れたい」と思ったことはありませんか? QRコードの画像の上に文字を重ねることで、デザイン性を高め、ユーザーにスキャンを促す効果が期待できます。 しかし、この加工はやり方を間違えると、QRコードが全く読み取れなくなる危険性もはらんでいます。重要なのは、QRコードが本来持つ「余白」や「誤り訂正機能」といった仕様を正しく理解することです。 この記事では、読み取り精度を落とさずに、安全に文字入りデザインのQRコードを作成するための具体的な手順と、絶対に守るべき注意点を徹底解説します。

はじめに: この記事の目的

※この記事は、QRコードの画像の上に文字をデザインとして入れたい方向けです。 例えば以下のようなQRコードです。

文字入りQRコードの例

スキャンするとメッセージが表示されるQRコードの作り方については、以下の記事をご覧ください。

>>あわせて読みたい:メッセージQRコードの作成方法|テキストや文章をQRコードに

メッセージQRコードは例えば、次のような場面で役立ちます。

  • 誕生日や記念日: 「プレゼントだけでは少し寂しい」そんな時に気軽にデジタルメッセージを加えることができます。
  • クリスマスに: プレゼントだけではなくお子様へサンタからの手紙を加えてみてはいかがでしょうか。
  • お礼や感謝のメッセージ: 例えば結婚式の出席者へのお礼に、席札などにQRコードを付けて気軽なメッセージにしましょう。
  • 日常の伝言: 子供へのお昼ご飯の伝言、機械の簡単な操作手順など日常的な伝言にも利用できます。

[QRコードに格納できるメッセージの例]

メッセージの例

【実践】文字入りデザインQRコードの安全な作成手順

それでは、実際に文字入りQRコードを作成する手順をご紹介します。

【方法1】無料のオンラインツールを利用する

一番手軽でおすすめなのがオンラインツールで作成する方法です。

  1. 無料の文字入りQRコード作成ツールへアクセス
  2. QRコード化したいURL(例: https://qr.c-cloud.co.jp)などを入力
  3. QRコードの下部に入れる文字・フォント・フォントサイズを選択(例: 「QR TOOL」・ゴシック体・30)
  4. 「保存」から画像をダウンロード

[作成画面]

文字入りQRコード作成画面

[完成したQRコード]

完成したQRコード

【方法2】QRコードを作成、グラフィックソフトで文字を配置する

次に紹介するのは文字が入っていないQRコードはオンラインツールで作成し、文字を別途ソフトで入れる方法です。

  1. 無料QRコード作成ツールへアクセス
  2. 必要に応じてデザイン変更
  3. 「保存」から画像をダウンロード
  4. Adobe IllustratorやPhotoshop、Canva、パワーポイントといったソフトに作成したQRコードと文字を入れる

>> あわせて読みたい: PowerPointに簡単にQRコードを作成する方法5選!標準機能では?

方法1と方法2のメリットデメリット

それぞれ以下のような特徴があります。

項目
方法1(オンラインツール)
方法2(オンラインツール+ソフト)
費用
無料
ソフトによっては有料(無料の場合は機能制限がある場合も)
手軽さ
オンラインで完結、アカウント登録も不要
ソフトをダウンロードする必要あり
カスタマイズ性
決まったフォーマットでのみ作成可能
詳細にカスタマイズ可能

手軽に作成する場合はオンラインツールで完結する方法1がおすすめです。詳細にカスタマイズしたい場合は方法2がおすすめです。

QRコードに文字を入れる位置のおすすめ

次に文字を入れる位置についてです。大きくは以下の選択肢があります。

  • QRコードの外側に配置する【おすすめ】
  • QRコードの中央部分に配置する
文字をQRコードの外と中どちらに配置するのが良いか

それぞれの注意点をご紹介します。

文字をQRコードの外側に配置する方がおすすめの理由

結論、文字を配置するのはQRコードの外側がおすすめです。理由としてはQRコードの中央部分に配置すると読み取り性能が落ちる可能性があるからです。

すべてのQRコードには誤り訂正機能といってQRコードの一部が欠損しても読み取りができる機能が備わっています。

>> QRコードの誤り訂正機能とは?

文字をQRコードの中央に配置する場合はこの誤り訂正機能の許容範囲を狭めることになります。

例えば誤り訂正レベルをMとすると約15%の欠損が許容範囲です。しかし文字を中央に配置し10%程度であったとすると、そのQRコードの欠損許容範囲は5%となってしまいます。

このようにQRコードの読み取り自体は文字を中央に配置しても可能であることは多いですが、読み取り性能に若干の差が出ることがあります。

>> あわせて読みたい: QRコードの真ん中(中央)にロゴを入れる方法

よくある質問(Q&A)

Q. どんなソフトを使えば文字を入れられますか?

A. QR TOOLのようなオンラインツールを利用すれば別途ソフトは不要です。

Adobe Illustrator, Photoshop, Canvaや、PowerPointなど、画像の上にテキストを配置できる一般的なグラフィックソフトやオフィスソフトで作成可能です。

Q. 文字の代わりに、自分の写真などを入れても良いですか?

A. 技術的には可能ですが、使用前には必ず読み取りテストを行なってください。写真は色や濃淡が複雑で、QRコードの白と黒のドットの判別を著しく妨げる可能性があります。

>> あわせて読みたい: QRコードの真ん中(中央)にロゴを入れる方法

読み取りエラーを防ぐ!デザイン3つの鉄則

鉄則1:中央に配置する場合は、小さく/目を隠さない配置する

QRコードの中央部分であれば誤り訂正機能によって復元できるようになっているのでできるだけQRコードの中央に、可能な限り小さく配置しましょう。

安全マージンとして、文字で隠す面積は、QRコード全体の20%程度に収めるのが理想です。また、QRコードの三隅にある四角い「ファインダーパターン」は、読み取りに絶対不可欠な部分ですので、絶対に隠さないでください。

良い例と悪い例

鉄則2:外側に配置する場合は4セル分の余白を確保する

QRコードの外側に文字を配置する場合には4セル分の余白は確保するようにしてください。

実際には、iPhone・Androidスマートフォンで検証すると外側に余白がない場合にでも読み取ることができました(下記の記事参照)

>> QRコードに必要な余白のクワイエットゾーン(マージン)を解説!

しかし規格上は4セル分の余白が必要とされているのでできる限り確保するようにしましょう。

余白の良い例・悪い例

鉄則3:十分なコントラストを保つ

配置する文字の色が、背景のQRコードのドット(黒い点と白い点)と混ざり合って、境界線が曖昧にならないように注意してください。文字の周りに縁取りをするなど、くっきりと認識できるように工夫すると、読み取り精度が安定します。

>> QRコードの色を変える方法・背景との関係・読み取り性能を解説

鉄則4:必ず、徹底的にテストする

これが最も重要な工程です。デザインが完成したら、それで終わりではありません。 必ず、複数のスマートフォン(iPhone/Android)や、複数のQRコードリーダーアプリ(標準カメラ、LINEなど)を使って、問題なく読み取れるかを徹底的にテストしてください。

>> iPhoneでQRコードを読み取る方法

>> AndroidでQRコードを読み取る方法

このテストをクリアしない限り、そのQRコードを名刺やポスターに印刷してはいけません。

まとめ: QRコードに文字を入れる方法

QRコードにデザインとして文字を入れることは、ユーザーの注意を引く有効な手法ですが、常に「読み取れないリスク」と隣り合わせです。

成功の鍵は、QRコードの仕様を正しく理解することにあります。

  1. 中央に配置する場合はできるだけ小さく・中央に配置する、ファインダーパターンは絶対に隠さない
  2. QRコードの外側に配置する場合は余白を4セル分確保する。
  3. 完成後は、様々な環境で入念な読み取りテストを行う。

このようなポイントを守ることで、デザイン性と実用性を両立した、効果的なQRコードを作成することができます。

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QR WORLD(QRワールド) 編集部

QRコード・バーコードの生成・読み取りシステムを開発してきた経験からお役立ち情報を発信しています。

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