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JANコードには、JIS規格(X0507)に基づいた標準サイズが存在します。この規格では、バーコードの読み取り精度を保つために、バーの幅や高さ、余白などが厳密に定められています。
以下はJIS規格で定められたJANコードの標準サイズの例です。
標準サイズを守ることで、バーコードリーダーが正確に情報を読み取る確率が高まります。
JANコードには、バーコード自体の両端に「クワイエットゾーン」と呼ばれる余白(左:3.63mm / 右:2.31mm)が必要です。この余白は、バーコードリーダーがデータの始まりと終わりを正しく認識するために欠かせません。
※左側の余白はモジュール幅0.33mm×11、右側の余白は0.33mm×7の計算結果です
この余白が不足すると、読み取りエラーの原因となる可能性があります。
JANコードは、一定の範囲内(80%~200%)で拡大縮小が可能です。
ただし、縮小しすぎたり拡大しすぎたりすると、読み取りエラーのリスクが高まります。
JIS規格では、JANコードの拡大縮小率について以下のように定められています。
この範囲を超えるサイズ変更は推奨されません。
また、縮小する場合は印刷精度や読み取り環境に注意してください。
[縮小した例]
JANコードは高さが低いと、スキャナーのレーザ光がバーコードから外れてしまうと読み取ることができないので、バーの高さは、印刷できる最大限を確保することが望ましいです。
一方、身の回りのバーコードを見ていただくと気づくかと思いますが、実はJANコードの高さ(バーの高さ)は国内流通の商品では一定の範囲で変更することができます。
このことを「トランケーション」と呼びます。
トランケーションはJIS規格にはありませんが、以下の高さを確保すれば読み取ることができるとされています。
またトランケーションする場合でもJANコードの横の長さのおよそ15%以上を確保することがおすすめです。
※海外に輸出する商品のバーコードは規格通りに表示する必要があります
JANコードの印刷色は、バーが黒100%、背景が白であることが基本です。コントラストが高い組み合わせが、最も正確に読み取られます。
しかし、デザイン上の事情からどうしても色を変更しなければいけない事情がある場合もあるかと思います。
そんな時にはバーの色を赤にするのは避けてください。
バーコードリーダーは赤色の光を使用することも多いため、赤色や赤系統の色(ピンク、オレンジなど)は避ける必要があります。
これらの色を使用するとバーコードが認識されない可能性があります。
透明なパッケージにバーコードを印刷する際には、背景に白を印刷する必要があります。背
景が透明なままだと、バーコードリーダーが正しく読み取れない可能性があるためです。
JANコードの印刷位置は小売店のPOS システムで読み取りやすい位置とされています。
具体的な商品の形状ごとの注意点を見ていきましょう。
箱状の商品の場合は裏面右下に横向きが一般的な表示位置です。
商品のデザインを邪魔せず、かつバーコードがバーコードリーダー読みやすい位置となります。
円筒形の商品、例えば缶コーヒーやペットボトルなどへのバーコードの表示は、縦方向に表示するのがおすすめです。
円筒形の商品にバーコードを横向きに表示すると縦に表示した場合と比較して反りが大きく読み取りに支障が出る可能性があるためです。
例えば電池やボタンなど小さい商品の場合、商品そのものにJANコードを印刷するのは難しいのでパッケージに印刷するのがおすすめです。
JANコードは、商品管理や販売管理を円滑に行うために非常に重要な要素です。サイズや余白、色、印刷位置など、JIS規格を基準に正しく設定することで、読み取りエラーを防ぐことができます。
JANコードの横幅は37.29mm(余白含む)で高さは25.93mmと規定されていますが80%~200%の範囲で拡大縮小が可能です。
特に国内流通の商品は高さを調整する「トランケーション」が可能です。
印刷の色は白背景に黒コードが基本で、色を変えたい場合にも赤系統の色は避けましょう。
印刷する位置はバーコードが反らない・欠けない位置に表示する必要があり必要に応じてパッケージに表示しましょう。
この記事で紹介したポイントを押さえ、正確で実用的なバーコード運用を実現してください。
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QR WORLD(QRワールド) 編集部