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無料でJANコード(EANコード)を作成する方法や基礎知識を解説

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商品管理や流通の現場で欠かせないいわゆるバーコードの一種である「JANコード(EANコード)」。 馴染みはあるけど、実際にはその仕組みや役割をあまり理解していない方も多いのではないでしょうか。 本記事では、JANコードの基礎知識や仕組みを分かりやすく解説し、無料で作成・読み取りができる便利な方法についてもご紹介します。 初心者の方でも安心して利用できる手順を詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてください。

JANコードを無料で作成する方法

JANコードを作成してみましょう。JANコードシンボルはQR TOOLでオンライン上で無料で作成することができます。

QR TOOLを使用する方法

1. QR TOOLにアクセスする

オンライン無料バーコード作成ツールのQR TOOLにアクセスします。

2. 数字を入力

 必要な情報を入力国コード、事業者コード、商品コードを入力します。チェックデジットは自動で計算されます。

3. ダウンロード

バーコードは数字を入力すると自動で生成されます。必要なオプションた画像拡張子を指定をダウンロード可能です。

設定できるオプション

QR TOOLのバーコード作成機能では以下のオプションを設定することができます。

  • PNG/JPEG/WEBPから出力画像形式を選択
  • 背景/コード部分の色
  • 数字の表示有無
  • 数字のフォント/色/サイズ/位置(上下)
  • バーコードと数字のスペース
  • バーコードの太さ
  • バーコードの高さ
  • バーコードの余白
QR TOOL画面

JANコードを無料で読み取る方法

バーコードスキャナーなどがお手元に無い方でもバーコードは読み取ることが可能です。

先ほどご紹介したQR TOOLではバーコードの読み取りも可能です。

1. QR TOOLへアクセスする

無料バーコード読み取りページへアクセスしてください。

2. カメラのアクセスを許可

「Start Scanning」からご利用の端末のカメラを起動します。

3. カメラにバーコードをかざす

カメラにバーコードをかざすと内容を読み取ることができます。読み取った内容は「読取履歴」に表示されます。

バーコード読み取り画面

JANコードとは?概要を解説

JANコード(Japanese Article Number)は、13桁もしくは8桁の数字からなる一次元バーコードの一種で主に商品を識別するために使用されます。

商品管理や流通業界において広く活用されており、レジや在庫管理システムでスムーズな運用を可能にする重要な要素です。

国際的にはEANコード(European Article Number)とも呼ばれ、日本だけでなく世界中で使用されています。

また、北米で広く利用されているUPCコードとも互換性がある国際的な共通商品コードです。

他のバーコードの種類について知りたいは以下のリンクで解説しています。

【14種類解説】バーコード(一次元コード)の種類とそれぞれの特徴や用途

JANコードの別名は?

JANコードは、日本国内で使用される正式名称ですが、国際的にはEANコードもしくはGTIN-13、GTIN-8(Global Trade Item Number)と呼ばれます。

日本国内では先頭(国コード)が45又は49のEANをJANと呼んでいますので両者は基本的に同じものを指します。

JANコードの国際規格は?

JANコードは、JIS規格に登録されており、JIS X 050に基づいて運用されています。国際的にはISO/IEC 15420:2009として規格化されています。

GS1は、商品のバーコードや物流に関する標準化を推進する団体で、JANコードはその規格の一部として、各国で共通に使用されています。

国際企画としてのEANコードは、13桁または8桁で構成されており、どの国でも一貫性を持って運用されています。

これにより、国をまたいだ商品流通が効率的に行える仕組みが整っています。

JANコードに含ませることができる文字は?記号は?

JANコードは、0から9数字のみで構成されます。アルファベットや記号は使用できません。

標準タイプは13桁、短縮タイプは8桁の数字を含ませることができますが、最後の数字は「チェックデジット」と言い

JANコードの種類(13桁と8桁の違い)

JANコードには、標準タイプの13桁と短縮タイプの8桁の2種類があります。それぞれの特徴は以下の通りです:

13桁のJANコード(標準タイプ)

  • 主に一般的な商品に使用される。
  • 世界中で広く利用される標準的な形式。
  • 構成:国コード(2桁)+ 商品メーカーコード(5桁もしくは7桁)+ 商品アイテムコード(3桁もしくは5桁)+ チェックデジット(1桁)。
13桁のJANコード

8桁のJANコード(短縮タイプ)

  • 小型商品などスペースが限られた場合に使用される。13桁を省略して作成される簡易版。
  • 構成:国コード(2桁)+ 事業者コード(4桁)+ 商品アイテムコード(1桁)+ チェックデジット(1桁)。
8桁のJANコード

JANコードの仕組み(各数字がそれぞれ何を表すのか)

13桁の標準JANコード

以下のように構成されています:

国コード(最初の2桁)

商品が登録された国を表します。

例:日本は「45」もしくは「49」。

1995年以降に新規の事業者コードの登録申請を行った事業者は、国コード「49」ではなく、「45」になります。

事業者コード(次の5桁もしくは7桁)

商品を登録した事業者を特定します。GS1へ申請して取得します。2001年以前に取得した事業者コードは5桁です。

商品コード(次の3–6桁)

各事業者が独自に設定する商品固有の番号です。

チェックデジット(最後の1桁)

誤り検出用の数字で、他の桁から計算されます。

8桁の短縮JANコード

国コード(最初の2桁)

標準タイプと同様に商品が登録された国を表します。例:日本は「45」もしくは「49」。

事業者コード(次の4桁)

事業者コードはGS1へ申請して取得します。標準タイプと異なり4桁です。13桁バージョンの事業者コードを保有していたとしても短縮版用の4桁の事業者コードが必要です。

商品コード(次の1桁)

各事業者が独自に設定する商品固有の番号です。

短縮バージョンは標準バージョンでは大きさが適さない、小さな商品用ですが、商品アイテムを0-9の10個しか表示できません。

10以上の商品には短縮バージョン用の事業者コードを複数取得する必要があります。

チェックデジット(最後の1桁)

誤り検出用の数字で、他の桁から計算されます。

JANコードのチェックデジットとは?

チェックデジットは、JANコードの正確性を保証するための重要な要素です。

最後の1桁として付与され、他の桁の数字を基に計算されます。

標準タイプの計算例

上記の例では「4」がチェックデジットです。

「モジュラス10/3ウェイト」と呼ばれる特殊な計算式によって算出されます。

この数字は誤り検出用に設けられており、以下のように計算されます:

  1. チェックデジットを含め、右端から数えて奇数桁の数字を合計します。
  2. チェックデジットを含め、右端から数えて偶数桁の数字、これを3倍します。
  3. 上記の合計値を足します。
  4. 合計値の下一桁の数を10から引いて出た数0の場合はチェックデジットは「0」、それ以外の場合は「10 - 余り」がチェックデジットになります。

上記の例では

偶数桁の数字(右から): 9,7,5,3,1,9

奇数桁の数字(右から): 8,6,4,2,0,4

偶数桁の数字×3 = 102

奇数桁の数字×1 = 24

総合計: 126

チェックデジット = 10 - 6 = 4

この仕組みによってスキャンした内容が正しいかを検証することができ、バーコードの誤読みや入力ミスを防ぐことができます。

さらに詳細のチェックデジットに関する情報や短縮タイプの計算例をみたい方はこちらをご参照ください。

チェックデジットの自動計算ツールはこちらをご利用ください。

JANコードは義務?

多くの業界で採用されているJANコードですが、JANコードを商品に付けるのは義務なのでしょうか?

結論、生産者はすべての商品においてJANコードを付ける義務は負っているわけではありませんが事実上必要となる場合があります。

法的な義務はあるのか?

JANコードの使用そのものは法律で義務付けられているわけではありません。たとえば、中小規模の製造者や一部の個人事業主が、自社で直接販売する商品には必ずしもJANコードを付与する必要はありません。

ただし、次の場合には事実上、JANコードが必要になることがあります:

  1. 大手小売店への納品:スーパーやコンビニエンスストアなど、大手の小売業者では、POSシステムを利用して商品の在庫や販売状況を管理しています。これらのシステムはJANコードを使用して商品を識別するため、取引を行うためにはJANコードが求められる場合がほとんどです。
  2. オンライン販売プラットフォーム:Amazonや楽天などのオンラインマーケットプレイスでは、商品登録時にJANコードの入力が必須とされる場合があります。これにより、商品の識別が容易になり、検索性や管理効率が向上します。

JANコードが不要な場合

一方で、以下のような場合には、JANコードが必ずしも必要ではないことがあります:

  • 地元の直売所やフリーマーケット:小規模な対面販売の場合、JANコードがなくても問題になることは少ないです。
  • 特注品や限定商品:一部のオーダーメイド商品や期間限定の商品では、JANコードを使用しない場合もあります。

JANコードの取得や使用は法律で義務付けられているわけではありませんが、商流や販路によっては実質的に必要となる場面が多いのが現状です。ビ

ジネスの規模や販売チャネルを考慮しながら、JANコードの必要性を検討してみてください。

JANコードを取得するためにかかる費用

事業者コードの取得・更新にかかる費用

JANコードを発行するには一般財団法人流通システム開発センターにて、GS1事業者コードの登録申請を行う必要があり、この費用が1年支払いで最小17,050円~最大154,000円(税込)になります。

※商工会議所での登録申請は2020年3月で終了しており、GS1 Japanに申請する必要があります

登録申請を行うには初期申請料登録管理費を足した合計金額を支払う必要があります。この金額は事業者全体の年間売上高によります。

【3年払いの場合】

規模
事業者全体の年間売上高
初期申請料
登録管理費
5000億円以上
44,000 円
306,900 円
1000億円以上 ~ 5000億円未満
44,000 円
276,100 円
500億円以上 ~ 1000億円未満
44,000 円
152,900 円
100億円以上 ~ 500億円未満
44,000 円
92,400 円
10億円以上 ~ 100億円未満
44,000 円
46,200 円
1億円以上 ~ 10億円未満
22,000 円
20,900 円
1億円未満
11,000 円
16,500 円

【1年払いの場合】

規模
事業者全体の年間売上高
初期申請料
登録管理費
5000億円以上
44,000 円
110,000 円
1000億円以上 ~ 5000億円未満
44,000 円
99,000 円
500億円以上 ~ 1000億円未満
44,000 円
55,000 円
100億円以上 ~ 500億円未満
44,000 円
33,000 円
10億円以上 ~ 100億円未満
44,000 円
16,500 円
1億円以上 ~ 10億円未満
22,000 円
7,700 円
1億円未満
11,000 円
6,050 円

【短縮タイプの場合】

また短縮タイプ(8桁)のJANコードを発行するにも別途事業者コード(6桁)の申請が必要になりますがその費用は下記の通りです。

事業者全体の年間売上高
3年払い
1年払い
10億円以上
22,000円
7,700円
10億円未満
11,000円
3,850円

【更新費用】

また更新それぞれ1年もしくは3年後に更新をする際には別途費用が必要になります。

事業者全体の年間売上高
3年払い
1年払い
5000億円以上
306,900円
110,000円
1000億円以上~5000億円未満
276,100円
99,000円
500億円以上~1000億円未満
152,900円
55,000円
100億円以上~500億円未満
92,400円
33,000円
10億円以上~100億円未満
46,200円
16,500円
1億円以上~10億円未満
20,900円
7,700円
1億円未満
16,500円
6,050円

出典: GS1 Japan

JANコードは日本だけで利用されている?

JANコード(Japanese Article Number)は、その名称に「Japanese」と含まれるため、日本国内専用のコードと誤解されることがあります。

しかし、実際にはJANコードは国際的に利用可能な規格の一部であり、日本だけでなく世界中で使用されています。

JANコードとEANコードの関係

JANコードは、国際標準化団体GS1が定めるバーコード規格「EANコード(European Article Number)」の一種です。

具体的には、JANコードはEANコードを日本国内向けに展開したもので、技術的にはEANコードと完全に互換性があります。

そのため、JANコードを使用している商品は、海外の小売店や物流システムでも問題なく読み取ることができます。

唯一の違いは、JANコードの先頭に日本を示す「45」または「49」が含まれている点です。

これにより、JANコードは日本の商品であることを示すと同時に、国際的な運用が可能な形式を保持しています。

JANコードは誰でも作れるの?

JANコードを作成することは、基本的には誰でも可能です。

JANコードを取得する方法

JANコードは誰でも取得可能ですが、正式なJANコードを取得し、適切に運用するためには一定の手続きが必要です。

  1. GS1 Japanへの登録(有料)
  2. 商品アイテムコードの設定
  3. チェックデジットを計算する
  4. バーコードの生成

以上の手続きでJANコードを取得することができます。

JANコードは個人でも取得できるのか?

個人事業主でも、GS1 Japanに登録することでJANコードを取得できます。ただし、登録料や年会費がかかるため、販売規模や目的に応じてコストを考慮する必要があります。

JANコードは一つの事業者コードで何個まで作れるのか?

JANコードは、事業者コードの桁数よって生成可能な数が決まっています。

  • 10桁GS1事業者コードの場合:2桁
  • 9桁GS1事業者コードの場合 :3桁
  • 7桁GS1事業者コードの場合 :5桁

10桁の企業コードの場合

商品アイテムコードが「2桁」の場合、作成可能なJANコードは最大 99種類 です。 (例: 01~99)

9桁の企業コードの場合

商品アイテムコードが「3桁」の場合、作成可能なJANコードは最大 999種類 です。 (例: 001~999)

7桁の企業コードの場合

商品アイテムコードが「5桁」の場合、作成可能なJANコードは最大 99,999種類 です。 (例: 00001~99999)

また、登録した企業コードを超えて商品アイテムを管理したい場合は、新たに別の企業コードを取得することも可能です。

このように、JANコードの運用は、企業の事業規模や商品数に応じて柔軟に対応できる仕組みになっています。

アイテムコードの設定

商品アイテムコード任意で設定し、自社で重複のないよう正確に管理する必要があります。

以下のような場合にはそれぞれに別のアイテムコードを付ける必要があります。

  • 商品名が異なる場合
  • 色が異なる場合
  • 容量が異なる場合
  • 素材が異なる場合
  • 包装サイズが異なる場合
  • 香りが異なる場合
  • 味が異なる場合
  • 販売単位が異なる場合等

出典: GS1 Japan

まとめ: JANコードの理解を深めよう

JANコードは、商品管理や流通の効率化に欠かせないツールです。

その仕組みを理解し実際に作成・読み取りしてみることにより業務へ活かしてみてください。

特に、QR TOOLのような便利なサービスを使えば、初心者でも簡単に対応可能です。

ぜひ今回紹介した手順を活用して、JANコードを効果的に利用してみてください。


他のバーコードの種類について知りたいは以下のリンクで解説しています。

【14種類解説】バーコード(一次元コード)の種類とそれぞれの特徴や用途

JANコードのチェックデジットに関する解説

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QR WORLD(QRワールド) 編集部

QRコード・バーコードの生成・読み取りシステムを開発してきた経験からお役立ち情報を発信しています。