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バーコードとは、情報を黒と白の線や空間で表現する記号化されたデータの一種です。
商品管理、物流、医療、エンターテイメントなど、幅広い分野で利用されています。
バーコードは、線状のパターンで情報を表現し、商品管理や在庫管理に用いられることが一般的です。
バーコードの利用目的に応じて、さまざまな規格や種類が存在します。それぞれの規格には特徴があり、用途に応じて適切なものを選択することが重要です。
バーコードとQRコードはどちらも情報を視覚的に表現する技術ですが、その構造と用途にいくつかの違いがあります。
これらの違いを理解し、用途に応じて使い分けることが重要です。
より詳細なQRコードとバーコードの違いの解説は以下の記事をご参照ください。
QRコードとバーコードの違いを徹底解説!用途やメリットを比較
主なバーコード規格には以下のようなものがあります。
次のセクションではそれぞれのバーコードについて深掘りしてご紹介します。
JANコードは(EAN13/GTIN-13)とも呼ばれ、日本国内および国際的に標準的な商品識別用バーコードとして広く使用されています。特に小売業での商品の識別や価格管理において欠かせない存在です。その13桁の数字は、メーカーコード、製品コード、チェックデジットで構成され、ユニークな識別を可能にします。
本の裏表紙にある2段のバーコードISBNコード(書籍JANコード)はJANコード2段で表示されます。
本のバーコードISBNとは?何がわかるのか? / ISBNバーコードを作成する
また新聞や雑誌などの定期刊行物に付与されるISSNではJANコード(EAN13)とEAN5/EAN2のいずれかでバーコード化されることもあります。
新聞や雑誌などの定期刊行物のISSNとは? / ISSNバーコードを作成する
日本では主にジャンコードと呼ばれます。
JANコードは13桁です。
数字(0-9)のみです。
商品の識別(特に小売業)
JIS-X0507・ISO/IEC15420で規定されています
JANコード(EAN13・GTIN-13)のバーコードを作成してみる | QR TOOL
JANコードの短縮版として開発され、小型商品に適した形式です。スペースが限られている商品ラベルに最適で、商品識別のための基本的な情報を提供します。
標準は13桁ですが短縮版は8桁です。
数字(0-9)のみです。
標準版JANコードが使用できないような小型商品の識別に使用されます。
標準版と同じJIS-X0507・ISO/IEC15420で規定されています。
JANコードに追加情報を付加するために使用される補助バーコードです。特に雑誌や書籍の価格情報や号数を表現するために設計されており、桁数は5桁です。
出版物や特定の製品に関する簡単な補足情報を追加するためのコードです。主に2桁の数字で構成され、特定の業界で活用されています。
CODE39(コード39)は、1974年にIntermec社によって開発されたバーコード規格の一つで、英数字といくつかの特殊記号をエンコードできる汎用性の高いバーコードです。
CODE39という名前は、9本のバーとスペースのうち3本が太いということに由来しています。
最大43種類の文字を扱えることがその特徴ですが、拡張仕様によってフルアスキー(ASCII)文字をエンコードすることも可能です。
CODE39のバーコードの始まりと終わりには、*(アスタリスク)が付けられます(スタート/ストップキャラクタ)。
CODE39の桁数は決まっておりません(可変長)です。
標準では数字(0~9)、アルファベット(大文字: A~Z)、一部記号(-,.,スペース,$,/,+,%)、半角スペースを使用することができます。
また、「$」「+」「%」「/」のいずれかと、その後に続くキャラクターを組み合わせてアスキーコードを表現することができます。
CODE39は情報密度(同じ情報を持つのにどれだけの面積が必要か)は他のバーコードと比較して低い反面、より大きな面積を使用して情報を表現するので誤読率が低く、在庫管理や産業用機器で使用されます。
CODE39は「JIS-X-0503」「ISO/IEC 16388」で規定されています。
CODE93は、1982年にインターメック社(Intermec)によって開発されたバーコード規格の一つです。CODE39の拡張版として設計されており、より高密度でエラー検出機能が強化された仕様になっています。これにより、バーコードのサイズを小さくしつつ、より多くのデータを格納できるようになっています。
CODE93の桁数には特に制限がなく、用途に応じて任意の長さでエンコードが可能です。
CODE93では、以下の文字を使用できます。
CODE93は、カナダ郵便公社が配送情報をエンコードするために使用していることが知られています。
USS-CODE93として規格化されているバーコードです。
CODE128は、非常に高いデータ密度を持ち、効率的に情報をエンコードできるバーコード形式です。物流や倉庫管理など、正確で迅速なデータ処理が求められる分野で広く使用されています。A、B、Cの3つの文字セットを切り替え可能で、多様な文字を扱えます。
またGS1-128というCODE128を使用したバーコードの運用方法の規格も存在します。
CODE128の桁数は決まっておらず、可変長です。
CODE128はASCIIコード全128文字に対応しており、以下のような文字を含められます。用途に応じて3種類の文字列のセット(Code Set A、B、C)を使用します。
適切なセットを選ぶことで、効率的にバーコードを作成できます。
以下のような用途で使用されます。
CODE128は「ISO/IEC 15417」「JIS-X-0504」で規格化されているバーコードです。
CODE128のバーコードを作成してみる | QR TOOL
UPC(Universal Product Code)はGTIN-12とも呼ばれアメリカを中心に小売業界で標準化されている商品識別用バーコードです。商品パッケージに印刷され、POSシステムで使用されることが一般的です。
GTIN-12はUPC-Aにあたり、UPC-Eは後述する8桁の短縮バージョンです。
チェックデジットを含め12桁です。
UPCでは数字のみ(0-9)が使用できます。
JANコードと同じように小売商品に使用されます。
UPCは「ISO/IEC 15420」「JIS-X-0507」で規格化されているバーコードです。
UPCEはUPCコードの短縮版で、小型商品やスペースが限られたパッケージに適しています。圧縮された形式でも必要な識別情報を保持します。
UPCEはチェックデジットを含め8桁です。
UPCAと同様に数字のみ(0-9)が使用できます。
UPCAでは適さない小型の商品の識別に使用されます。
ITFは“Interleaved Two of Five”の略で、データが2つのバーと3つのスペースの組み合わせで符号化される仕組みを指します。
特に14桁で表されるITF-14はGTIN-14とも呼ばれ、物流や製造業で汎用的に使用されるバーコード形式です。簡潔でシンプルな構造が特徴で、大量の製品を効率的に管理するために設計されています。
ITF-14はバーコードの外側を黒い枠で囲われています。これはベアラバーと呼ばれ物流で使用されることを念頭に印刷精度を向上させ、読取ミスを低減させるものです。
ITFコードの桁数は、偶数桁のみで構成されます。
特に一般的な規格として14桁(ITF-14)がよく利用されます。
ITFでは数字のみ(0-9)が使用できます。
ITFコードは、物流業界で主に集合包装された商品の識別に使用されます。大口の在庫管理や配送センターでの効率化が求められる場面で特に有用です。
ISO/IEC16390として国際規格になっており、日本ではこれに準拠して2012年にJIS-X-0505として規格化されました。
GS1データバーは、GS1標準シンボルの一つです。当初はRSS(Reduced Space Symbology=省スペースシンボル)と呼ばれていましたが、2007年2月に現在のGS1データバーに名称が変更されました。JAN・EAN、UPCなどのバーコードシンボルと比較すると、同じ量のデータをより小さいスペースで表現できるのが特徴の一つです。
GS1 Databarには以下の種類があります。
GS1 Databarは一般消費財分野の他、日本ではすべての医療用医薬品の調剤包装単位と販売包装単位に表示されています。
ISO/IEC24724として国際標準化されています。日本国内では2012年にJIS X 0509として登録されています。
GS1 Databarバーコードシンボルを作成してみる | QR TOOL
MSIは、図書管理や簡易的な識別システムで利用されるバーコード形式です。オプションでチェックデジットを追加することで、データの正確性を向上させることができます。
MSIの桁数は可変長です。
数字のみ(0-9)
MSIの主な用途
MSIは図書管理や簡易的な識別で使用されます。
規格: 独自規格
医薬品業界専用に設計されたバーコード形式です。薬品パッケージの識別や追跡に使用され、ミスが許されない厳格な管理が求められる分野で活躍しています。
Pharmacodeの桁数は可変長です。
数字のみ(0-9)
医薬品のパッケージ管理
Pharmacodeのバーコードを作成してみる | QR TOOL
Codabarは別名NW-7と呼ばれ、図書館や血液バンクなど、比較的低コストで簡単に実装できるシステムに利用されています。シンプルな構造で、短期間で導入可能です。
Codabar・NW-7の桁数は可変長です。
Codabar・NW-7で使用可能な文字は以下の通りです。
このように、Codabar・NW-7はシンプルな文字セットを持ちながら、短いデータを効率的にエンコードすることができます。
図書館、血液バンクなどで使用されていることが知られています。
Codabar・NW-7は「ISO/IEC 15394」「JIS-X-0506」で規格化されたバーコードです。
Codebarのバーコードを作成してみる | QR TOOL
汎用性の高いバーコード形式で、特定の業界や用途に縛られない柔軟な設計が特徴です。独自規格としてカスタマイズされる場合もあります。
GenericBarcodeは可変長です。
GenericBarcodeは汎用的な識別に使用されます。
バーコードは用途や環境に応じて最適な種類を選ぶことが重要です。
例えば、日本の小売業ではJANコードが一般的ですが、物流業界ではITF14やCODE128が推奨されてます。
また、医療分野ではPharmacodeのような業界特化型バーコードが利用されていることもあります。
選定時には以下のポイントを考慮しましょう。
これらを踏まえて適切なバーコードを選ぶことで、効率的かつ正確なデータ管理を実現できます。
各種バーコードの作成にはこの記事でもご紹介したQR TOOLがおすすめです。
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QR WORLD(QRワールド) 編集部