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バーコード(一次元コード)の種類・特徴・用途を解説【全15種類】

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現代社会で広く利用されているバーコードは、商品管理から物流、医療現場まで、さまざまな場面で欠かせない存在です。 この記事では、代表的なバーコードの種類を取り上げ、それぞれの特徴や用途について詳しく解説します。 JANコードやCODE128、ITF14などの基本的なコードから、特定の業界で使用されるPharmacodeやCodabarまで、多岐にわたるコードの違いや適用シーンを理解し、最適な選択をサポートします。

バーコードとは

バーコードとは

バーコードとは、情報を黒と白の線や空間で表現する記号化されたデータの一種です。

商品管理、物流、医療、エンターテイメントなど、幅広い分野で利用されています。

バーコードは、線状のパターンで情報を表現し、商品管理や在庫管理に用いられることが一般的です。

バーコードの利用目的に応じて、さまざまな規格や種類が存在します。それぞれの規格には特徴があり、用途に応じて適切なものを選択することが重要です。

QRコードとの違い

バーコードとQRコードはどちらも情報を視覚的に表現する技術ですが、その構造と用途にいくつかの違いがあります。

情報量と構造

  • バーコード: 一次元的な線状パターンで情報を表現し、通常は少量の情報(数十文字程度)を格納します。
  • QRコード: 二次元的なパターンで情報を表現し、バーコードよりもはるかに多くの情報(数千文字)を格納可能です。

読み取り方法

  • バーコード: 専用のスキャナーやカメラで水平にスキャンして情報を読み取ります。
  • QRコード: スマートフォンのカメラや専用リーダーで簡単に読み取り可能です。

主な用途

  • バーコード: 商品管理、物流、医療業界での識別や追跡が主な用途です。
  • QRコード: URLの共有、電子決済、広告やプロモーションの手段として利用されることが多いです。

耐久性

  • バーコード: チェックデジットにより読み取りの正しさは検証できるものの、印刷の損傷や汚れに弱い傾向があります。
  • QRコード: エラー訂正機能を備えており、一部が破損していても情報を復元可能です。

これらの違いを理解し、用途に応じて使い分けることが重要です。

より詳細なQRコードとバーコードの違いの解説は以下の記事をご参照ください。

QRコードとバーコードの違いを徹底解説!用途やメリットを比較

主なバーコード規格一覧

主なバーコード規格には以下のようなものがあります。

  • JAN(EAN)コード: 小売商品に表示される(POSレジで読み取り)
  • UPC: 主に北米で利用される、小売商品に表示されるバーコード
  • ITF-14: 集合包装用バーコード
  • CODE39: 1974年Intermec社開発のバーコード
  • CODE93: CODE39の拡張版、チェックデジットが二つ
  • CODE128: ASCII文字全体に対応、GS1-128のシンボルに採用
  • CODABAR(NW-7): 1972年モナークマーキング社開発、物流・医療業界で利用
  • GS1 Databar: GS1が定めているバーコードシンボルの規格、積み重ねることができる
主なバーコードの規格一覧・関係性

次のセクションではそれぞれのバーコードについて深掘りしてご紹介します。

バーコード種類一覧の概要・読み方・桁数・文字種類・主な用途・規格

JANコード(EAN13/GTIN-13)

JANコード(EAN13)

JANコード(EAN13/GTIN-13)の概要

JANコードは(EAN13/GTIN-13)とも呼ばれ、日本国内および国際的に標準的な商品識別用バーコードとして広く使用されています。特に小売業での商品の識別や価格管理において欠かせない存在です。その13桁の数字は、メーカーコード、製品コード、チェックデジットで構成され、ユニークな識別を可能にします。

本の裏表紙にある2段のバーコードISBNコード(書籍JANコード)はJANコード2段で表示されます。

本のバーコードISBNとは?何がわかるのか? / ISBNバーコードを作成する

また新聞や雑誌などの定期刊行物に付与されるISSNではJANコード(EAN13)とEAN5/EAN2のいずれかでバーコード化されることもあります。

新聞や雑誌などの定期刊行物のISSNとは? / ISSNバーコードを作成する

JANコード(EAN13/GTIN-13)の読み方

日本では主にジャンコードと呼ばれます。

JANコード(EAN13/GTIN-13)の桁数

JANコードは13桁です。

JANコード(EAN13/GTIN-13)が対応している文字

数字(0-9)のみです。

JANコード(EAN13/GTIN-13)の主な用途

商品の識別(特に小売業)

JANコードの規格(EAN13/GTIN-13)

JIS-X0507・ISO/IEC15420で規定されています

JANコードに関する詳細の解説はこちらから

JANコードの色やサイズについて

JANコードに必要なGS1事業者コード

JANコード(EAN13・GTIN-13)のバーコードを作成してみる | QR TOOL

JANコード(EAN8)

JANコード(EAN8)

JANコード(EAN8)の概要

JANコードの短縮版として開発され、小型商品に適した形式です。スペースが限られている商品ラベルに最適で、商品識別のための基本的な情報を提供します。

JANコード(EAN8)の桁数

標準は13桁ですが短縮版は8桁です。

JANコード(EAN8)が対応している文字の種類

数字(0-9)のみです。

JANコード(EAN8)の主な用途

標準版JANコードが使用できないような小型商品の識別に使用されます。

JANコード(EAN8)の規格

標準版と同じJIS-X0507・ISO/IEC15420で規定されています。

EAN8のバーコードを作成してみる | QR TOOL

JANコード(EAN5)

JANコード(EAN5)

JANコード(EAN5)とは?

JANコードに追加情報を付加するために使用される補助バーコードです。特に雑誌や書籍の価格情報や号数を表現するために設計されており、桁数は5桁です。

EAN5のバーコードを作成してみる | QR TOOL

JANコード(EAN2)

JANコード(EAN2)

JANコード(EAN2)とは?

 出版物や特定の製品に関する簡単な補足情報を追加するためのコードです。主に2桁の数字で構成され、特定の業界で活用されています。

EAN2のバーコードを作成してみる | QR TOOL

CODE39

CODE39の例

CODE39の概要

CODE39(コード39)は、1974年にIntermec社によって開発されたバーコード規格の一つで、英数字といくつかの特殊記号をエンコードできる汎用性の高いバーコードです。

CODE39という名前は、9本のバーとスペースのうち3本が太いということに由来しています。

最大43種類の文字を扱えることがその特徴ですが、拡張仕様によってフルアスキー(ASCII)文字をエンコードすることも可能です。

CODE39のバーコードの始まりと終わりには、*(アスタリスク)が付けられます(スタート/ストップキャラクタ)。

CODE39の桁数

CODE39の桁数は決まっておりません(可変長)です。

CODE39が対応している文字の種類

標準では数字(0~9)、アルファベット(大文字: A~Z)、一部記号(-,.,スペース,$,/,+,%)、半角スペースを使用することができます。

また、「$」「+」「%」「/」のいずれかと、その後に続くキャラクターを組み合わせてアスキーコードを表現することができます。

CODE39で使用できる文字についての詳しい解説

CODE39の主な用途

CODE39は情報密度(同じ情報を持つのにどれだけの面積が必要か)は他のバーコードと比較して低い反面、より大きな面積を使用して情報を表現するので誤読率が低く、在庫管理や産業用機器で使用されます。

CODE39の規格

CODE39は「JIS-X-0503」「ISO/IEC 16388」で規定されています。

CODE39についてより詳しい解説はこちら

CODE39のバーコードを作成してみる | QR TOOL

CODE93

CODE93の例

CODE93の概要

CODE93は、1982年にインターメック社(Intermec)によって開発されたバーコード規格の一つです。CODE39の拡張版として設計されており、より高密度でエラー検出機能が強化された仕様になっています。これにより、バーコードのサイズを小さくしつつ、より多くのデータを格納できるようになっています。

CODE39とCODE93の比較

CODE93の桁数

CODE93の桁数には特に制限がなく、用途に応じて任意の長さでエンコードが可能です。

CODE93が対応している文字の種類

CODE93では、以下の文字を使用できます。

  • 英数字(A〜Z、0〜9)
  • 特殊記号(-、.、$、/、+、%)
  • 拡張モードによりASCII全体をサポート

CODE93の主な用途

CODE93は、カナダ郵便公社が配送情報をエンコードするために使用していることが知られています。

CODE93の規格

USS-CODE93として規格化されているバーコードです。

CODE93についてより詳しい解説はこちら

CODE93のバーコードを作成してみる | QR TOOL

CODE128

CODE128

CODE128の概要

CODE128は、非常に高いデータ密度を持ち、効率的に情報をエンコードできるバーコード形式です。物流や倉庫管理など、正確で迅速なデータ処理が求められる分野で広く使用されています。A、B、Cの3つの文字セットを切り替え可能で、多様な文字を扱えます。

またGS1-128というCODE128を使用したバーコードの運用方法の規格も存在します。

GS1-128に関する詳しい解説はこちらから

GS1-128を複数一括で作成する

CODE128の桁数

CODE128の桁数は決まっておらず、可変長です。

CODE128が対応している文字の種類

CODE128はASCIIコード全128文字に対応しており、以下のような文字を含められます。用途に応じて3種類の文字列のセット(Code Set A、B、C)を使用します。

  1. Code Set A: 制御文字や大文字英字、数字に対応
  2. Code Set B: 英数字(大文字・小文字)や記号に対応
  3. Code Set C: 数字を効率的にエンコードするため、0-99の数字に対応

適切なセットを選ぶことで、効率的にバーコードを作成できます。

CODE128の主な用途

以下のような用途で使用されます。

  1. 物流: 荷物のトラッキングや管理バーコードとして使用。
  2. 製造業: 部品管理や製品トラッキングに利用。
  3. 医療分野: 医薬品や患者の識別情報の管理。

CODE128の規格

CODE128は「ISO/IEC 15417」「JIS-X-0504」で規格化されているバーコードです。

CODE128についてより詳しい解説はこちら

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GS1-128を作成する

UPC(UPC-A/GTIN-12)

UPCの例

UPCの概要

UPC(Universal Product Code)はGTIN-12とも呼ばれアメリカを中心に小売業界で標準化されている商品識別用バーコードです。商品パッケージに印刷され、POSシステムで使用されることが一般的です。

GTIN-12はUPC-Aにあたり、UPC-Eは後述する8桁の短縮バージョンです。

UPCの桁数

チェックデジットを含め12桁です。

UPCで使用できる文字の種類

UPCでは数字のみ(0-9)が使用できます。

UPCの主な用途

JANコードと同じように小売商品に使用されます。

UPCの規格

UPCは「ISO/IEC 15420」「JIS-X-0507」で規格化されているバーコードです。

UPCに関するより詳しい解説はこちらから

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UPC-E

UPCE

UPC-Eの概要

UPCEはUPCコードの短縮版で、小型商品やスペースが限られたパッケージに適しています。圧縮された形式でも必要な識別情報を保持します。

UPC-Eの桁数

UPCEはチェックデジットを含め8桁です。

UPC-Eで使用できる文字の種類

UPCAと同様に数字のみ(0-9)が使用できます。

UPC-Eの主な用途

UPCAでは適さない小型の商品の識別に使用されます。

UPC-Eのバーコードを作成してみる | QR TOOL

ITF(ITF-14・GTIN-14)

ITFの例

ITFの概要

ITFは“Interleaved Two of Five”の略で、データが2つのバーと3つのスペースの組み合わせで符号化される仕組みを指します。

特に14桁で表されるITF-14はGTIN-14とも呼ばれ、物流や製造業で汎用的に使用されるバーコード形式です。簡潔でシンプルな構造が特徴で、大量の製品を効率的に管理するために設計されています。

ITF-14はバーコードの外側を黒い枠で囲われています。これはベアラバーと呼ばれ物流で使用されることを念頭に印刷精度を向上させ、読取ミスを低減させるものです。

ITFの桁数

ITFコードの桁数は、偶数桁のみで構成されます。

特に一般的な規格として14桁(ITF-14)がよく利用されます。

ITFで使用できる文字の種類

ITFでは数字のみ(0-9)が使用できます。

ITFの主な用途

ITFコードは、物流業界で主に集合包装された商品の識別に使用されます。大口の在庫管理や配送センターでの効率化が求められる場面で特に有用です。

ITFの規格

ISO/IEC16390として国際規格になっており、日本ではこれに準拠して2012年にJIS-X-0505として規格化されました。

ITFに関するより詳しい解説はこちらから

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GS1 Databar

GS1 Databarの例

GS1 Databarの概要

GS1データバーは、GS1標準シンボルの一つです。当初はRSS(Reduced Space Symbology=省スペースシンボル)と呼ばれていましたが、2007年2月に現在のGS1データバーに名称が変更されました。JAN・EAN、UPCなどのバーコードシンボルと比較すると、同じ量のデータをより小さいスペースで表現できるのが特徴の一つです。

GS1 Databarの種類

GS1 Databarには以下の種類があります。

  • GS1データバー 標準型 (オムニディレクショナル)
  • GS1データバー 標準二層型(スタック・オムニディレクショナル)
  • GS1データバー 拡張型 (エクスパンデッド)
  • GS1データバー 拡張多層型(エクスパンデッド・スタック)
  • GS1データバー 限定型 (リミテッド)
  • GS1データバー カット型 (トランケート)
  • GS1データバー 二層型 (スタック)

GS1 Databarの主な用途

GS1 Databarは一般消費財分野の他、日本ではすべての医療用医薬品の調剤包装単位と販売包装単位に表示されています。

GS1 Databarの規格

ISO/IEC24724として国際標準化されています。日本国内では2012年にJIS X 0509として登録されています。

GS1 Databarバーコードシンボルを作成してみる | QR TOOL

MSI

MSI

MSIの概要

MSIは、図書管理や簡易的な識別システムで利用されるバーコード形式です。オプションでチェックデジットを追加することで、データの正確性を向上させることができます。

MSIの桁数

MSIの桁数は可変長です。

MSIで使用できる文字の種類

数字のみ(0-9)

MSIの主な用途

MSIは図書管理や簡易的な識別で使用されます。

規格: 独自規格

  • MSI10: チェックデジット1桁
  • MSI11: チェックデジット1桁(独自アルゴリズム)
  • MSI1010: チェックデジット2桁(モジュラス10)
  • MSI1110: チェックデジット2桁(独自アルゴリズム)

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Pharmacode

Pharmacodeの例

Pharmacodeの概要

医薬品業界専用に設計されたバーコード形式です。薬品パッケージの識別や追跡に使用され、ミスが許されない厳格な管理が求められる分野で活躍しています。

Pharmacodeの桁数

Pharmacodeの桁数は可変長です。

Pharmacodeで使用できる文字の種類

数字のみ(0-9)

Pharmacodeの主な用途

医薬品のパッケージ管理

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Codabar・NW-7

codabar

Codabar・NW-7の概要

Codabarは別名NW-7と呼ばれ、図書館や血液バンクなど、比較的低コストで簡単に実装できるシステムに利用されています。シンプルな構造で、短期間で導入可能です。

Codabar・NW-7の桁数

Codabar・NW-7の桁数は可変長です。

Codabar・NW-7で使用できる文字の種類

Codabar・NW-7で使用可能な文字は以下の通りです。

  • 数字:0〜9
  • 特殊記号:-、$、:、/、.、+
  • 制御コード:A、B、C、D(開始および終了コード専用)

このように、Codabar・NW-7はシンプルな文字セットを持ちながら、短いデータを効率的にエンコードすることができます。

Codabar・NW-7の主な用途

図書館、血液バンクなどで使用されていることが知られています。

Codabar・NW-7の規格

Codabar・NW-7は「ISO/IEC 15394」「JIS-X-0506」で規格化されたバーコードです。

Codabar/NW-7に関する詳細の解説はこちら

Codebarのバーコードを作成してみる | QR TOOL

GenericBarcode

GenericBarcode

GenericBarcodeの概要

汎用性の高いバーコード形式で、特定の業界や用途に縛られない柔軟な設計が特徴です。独自規格としてカスタマイズされる場合もあります。

GenericBarcodeの桁数

GenericBarcodeは可変長です。

GenericBarcodeの主な用途

GenericBarcodeは汎用的な識別に使用されます。

GenericBarcodeのバーコードを作成してみる | QR TOOL

まとめ: バーコードの種類の選び方

バーコードは用途や環境に応じて最適な種類を選ぶことが重要です。

例えば、日本の小売業ではJANコードが一般的ですが、物流業界ではITF14やCODE128が推奨されてます。

また、医療分野ではPharmacodeのような業界特化型バーコードが利用されていることもあります。

選定時には以下のポイントを考慮しましょう。

  • 必要な情報量
  • 使用する機器の対応規格
  • 使用環境(屋内/屋外、印刷精度など)
  • 業界や用途における標準規格

これらを踏まえて適切なバーコードを選ぶことで、効率的かつ正確なデータ管理を実現できます。


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QR WORLD(QRワールド) 編集部

QRコード・バーコードの生成・読み取りシステムを開発してきた経験からお役立ち情報を発信しています。

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