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ずばり、QRコードのバージョンとはQRコードのセル数のことです。
QRコードのバージョン(種類)は、1から40まで存在し、それぞれのバージョン毎にセル数と誤り訂正レベルに応じた格納できるデータ容量が決まっています。
セルとは、QRコードの中にある白黒の四角の点のことです。
バージョンの数字が大きいほどコードが大きくなり、比例して格納できるデータ容量も増えます。
バージョンという響きだけで言えば一般的に「新しい・古い」というイメージがありますが、QRコードにおいては「セル数や大きさ」を指します。
ではバージョンが大きくなるにつれ格納できるデータ、文字数が増えるのであれば、全て最大のバージョン40で作れば良いのでしょうか?
結論、QRコードのバージョンは低い方が読み取りが安定しますので必要な文字数以上にバージョンを上げることはおすすめできません。
QRコードを印刷して使用する場合には、それぞれのセルがきちんと明瞭に印刷されなくてはいけません。
プリンターの性能や印刷する面積によっては、一つ一つのセルが明瞭に印刷できずにつぶれてしまうこともあります。
バージョンは、必要な誤り訂正レベルと印刷できる面積や文字数容量の要件に合ったもので最小のものを選択してください。
QRコードにはモデル1とモデル2が存在します。
最初に作られたQRコードです。
見た目がモデル2とは違い、アライメントパターン(歪みに対応するための目)がないのが特徴です。
最大バージョンは14 (73×73セル)で数字1167桁まで扱うことができますがモデル2と比較して格納できるデータ量は少量です。
QRコードのモデル1を元に改良されたのがモデル2で現在社会で目にするQRコードはこちらのモデル2です。
モデル2は、コードが歪んでしまった場合でもスムーズに読取りが出来るように、モデル1を改良したものです。現在日常で目にするQRコードはモデル2です。
歪んだコードでも読み取りをスムーズにするのがアライメントパターンです。
例えば、コードが曲面に印字されたり、読み取り時の角度でコードが歪んだ状態でも、配置されたアライメントパターンによって、読み取ることができます。
モデル2の最大バージョンは40 (177×177セル)で、数字7089桁まで扱うことができます。
前述の通り、バージョンの決定には誤り訂正レベルも関連しています。
QRコードには、画像の一部が汚れたり、破損したりしても正確に読み取ることができるように設計されています。この機能のことを誤り訂正機能と呼びます。
この誤り訂正機能により、QRコードは信頼性の高い情報伝達ツールとして活用されています。
そのレベルが4つ(低い方から順にL・M・Q・H)存在しており、誤り訂正レベルと呼びます。
誤り訂正レベルを高く設定するとより多くのコードが欠損していてもデータを読み取ることができるようになります。
誤り訂正機能はコード内に冗長化させたデータを保持することで実現されている機能です。よって誤り訂正レベルを上げると格納できるデータ量は減ります。
具体的なデータ量はこの記事の最後をご確認ください。
QRコードを読み取る方はバージョンを確認する必要のない方がほとんどかと思われます。
しかし上級者の方はQRコードのバージョンを確認しないといけない場面もありますので確認方法をご紹介します。
オンライン上で無料かつ登録不要でQRコードを読み取りバージョンまで確認できるサービスがQR TOOLです。
QRコードの読み取り方法は画像からとカメラを起動して検出する2通りあります。いずれかのリンクをクリックしてください。
まず以下のリンクへアクセスしてください。
点線内に画像をドラッグ&ドロップするかクリックして画像を選択してください。
画像が検出されるとQRコードの中身が確認できます。
そして右端のアイコンにカーソルを合わせるとバージョンが表示されます。
まず以下のリンクへアクセスしてください。
アウトカメラとインカメラがある場合選択した上で「カメラを起動 QRコードを読み取る」ボタンを押してください。
QRコードを写すとQRコードの中身とバージョンが確認できます。
QRコードのバージョンは、以下の要素に基づいて決まります。
これらの要素を踏まえたうえで、QRコードのバージョンは、格納したい情報の量と誤り訂正の必要度に合わせて選択されます。
ただし、多くのQRコード作成サービスでは自動で最小のバージョンが選択されるのでほとんどの方は気にする必要はありません。
QRコードのバージョン、誤り訂正レベルとそれに伴うデータが格納できる容量は以下の通りです。
QRコードで利用可能なバージョンは上記の通りでした。
セル数に注目してご覧いただくとはバージョンを上げるごとに規則的に増えていることにお気づきの方もいらっしゃるかと思います。
セル数とバージョンの関係を数式で表すと通りです。
[セル数] = [バージョン]×4 + 17
40通りのセル数を覚えることは大変ですがこの数式さえ覚えていれば、バージョンが判明していれば即座にセル数も計算できます。
バージョンの一覧と誤り訂正レベル・データ容量をご覧いただけばご理解いただけたかと存じますがバージョンを小さくしたい、でもデータの中身を変えられない場合、その方法は二つ考えられます。
一つ目は誤り訂正レベルを落とす方法です。
同じバージョンでも誤り訂正レベルを落とすと格納できるデータ容量は大きくなります。
想定される読み取り環境で誤り訂正レベルを落としても問題ない場合はこの方法を採用してください。
QRコードに格納することが多いのはURLですが、長いURLの場合バージョンが大きくなってしまいます。
そんな場合は短縮URLサービスの利用を検討してください。
サービス上で短いURLを割り当て本来のURLへリダイレクトするサービスです。
このようにデータの中身を変えられない場合でもバージョンを小さくできる可能性があるので確認してみてください。
iPhone(iOS11以降)の標準カメラでもQRコードの読み取りは対応しています。
出典: Apple
しかしどのバージョンに対応しているかAppleに明記がありませんでしたので独自に実験してみました。
バージョン1 〜バージョン40のQRコードを準備し、iPhone XRを利用して標準カメラのQRコード検出機能でQRコードの読み取り実験をしました。
結果的にはバージョン1~40まで全て読み取ることができました。
実験前にはバージョン40の巨大なQRコードの読み取りは流石に難しいと予想していましたが見事全て読み取ることができました。
ただし今回の実験ではQRコードを液晶画面に写して試したので、実際に印刷して利用する際などはドットの鮮明さに注意が必要です。
スムーズな読み取りには十分な大きさを確保してください。最小サイズの大きさの確認には以下の記事をご参照ください。
QRコードのバージョンはほとんどの方は日常生活で気にする必要はありません。
一方、多くの方にQRコードを読み取ってもらえるようにするにはできる限りバージョンは小さく抑えるようにすることが大事です。
すでにお持ちのQRコードのバージョンを確認するには下記のサイトを利用してください。
QRコードを画像・カメラで読み取りバージョン確認 | QR TOOL
無料でオンライン上で利用できるので、ぜひ試してみてください。
QR WORLD(QRワールド) 編集部