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QRコードは現代の情報共有手段として欠かせない存在です。
名刺やパンフレット、フライヤー、チラシ、さらには大きな看板に至るまで、様々な印刷物に使用されます。
しかし、QRコードのサイズを誤ると、読み取りにくくなったり、見た目が不格好になったりすることがあります。
そのため、利用シーンごとに適切なサイズを選ぶことが重要です。
例えば、名刺のような小さなスペースで使用する場合には、QRコードが小さすぎてスキャンしづらくなってしまうことがあります。
一方、看板のような遠くから見る場面では、大きさやコントラストが適切でないと読み取れないこともあります。
この記事では、QRコードの最小サイズや推奨サイズについて、シーン別に解説し、作成・印刷の際に注意すべきポイントを紹介します。
QRコードを最小サイズで印刷する場合、読み取り可能であることが最も重要です。ここでは、印刷物やデジタル環境それぞれでの最小サイズについて解説します。
QRコードを印刷物に使用する場合、一般的には以下の公式が参考になります:「QRコードの1セル(黒または白のマス) = 0.4mm以上」
プリンターの対応密度が350dpi・一つのセルを5ドットで印刷すると仮定して計算すると1セルあたり約0.36mm→0.4mmとします。
ここではこのURL(https://qr.c-cloud.co.jp/tools)を誤り訂正レベルMでQRコード化する場合を考えます。
[作成したQRコード]
このURLで誤り訂正レベルMにするとバージョンは3でした。
バージョン3のQRコードは29×29セルの構造を持っています。
この場合、1セルを0.4mmとすると、最低でも11.6mm四方のQRコードが必要です。
これに4セル相当の余白=1.6mm余白を加え、理論上は最低でも13.2mm四方のQRコードが必要という計算になります。
QRコードをSNS投稿やウェブサイトに掲載する場合、デジタル環境では印刷物ほどセルサイズを厳密に気にする必要はありません。
しかし、最低でも150px × 150pxの画像サイズが推奨されます。
これは、ほとんどのスマートフォンカメラでスムーズに読み取れる基準です。
Retinaディスプレイとは、アップル製品(iPhone、iPad、MacBook)に搭載されている高解像度ディスプレイのことです。
Retinaディスプレイで画像サイズをそのまま利用するとぼやけて見えるので、綺麗に表示するためには画像解像度を2倍にする必要があります。
例えば、150px × 150pxを基準とする場合、Retina対応では300px × 300px以上が望ましいです。SVG形式でQRコードを保存すれば、解像度を気にせず使用できます。
QRコードの最小サイズを決定するには、以下の手順で確認することができます。
QRコードの最小サイズを求めるにはセル数を確認する必要がありますが、人間が一目見ただけではセル数はわかりません。
データ容量が増えるに従ってセル数は増えます。
セル数を確認するには作成したQRコードの「バージョン」を確認する必要があります。大抵のQRコード作成サービス(QR TOOLを含め)ではバージョンは自動で設定されます。
短いURLであればバージョン1や2ですが、長いURLや大量の文字列を含む場合はバージョン10以上になることもあります。
ここでは無料のオンラインQRコード作成・読み取りツールのQR TOOLを使って、バージョンを確認しましょう。
以下のURLにアクセスし、作成したQRコードのバージョンを確認してください。
今回の例のQRコードのバージョンは3でした。
QRコードのセル数はバージョンにより決まっています。
以下の記事にあるバージョン一覧からセル数を確認してください。
バージョン3のセル数は29です。
印刷物でQRコードを使用する場合、プリンターや印刷サービスで推奨されているDPI(dots per inch)も重要です。
今回は名刺やチラシなどの印刷を依頼できる印刷通販のプリントパックで推奨されているのは350dpi以上とのことなので350dpiを採用します。
この解像度に基づいてサイズを設定します。
dpi = [1インチ(25.4mm)あたりのドット数なので]
350dpi = 13.7795 dpmm(dots per mm)です。
1ドットあたり約0.07mmです。
1セルを縦横5ドットで埋めるとすると1セルあたり0.35mmです。
これに今回の29セルをかけると10.15mm ×10.15mmがこの例の理論的な最小サイズということになります。
計算例: (25.4 ÷ 350) × 5 × 29 = 10.15mm
上記のQRコードの最小サイズは「理論上正しく印刷できるサイズ」を指しますが、現実には最小サイズでは不十分な場合があります。
スムーズな読み取りやユーザー体験を重視するなら、推奨サイズを考慮することが重要です。
最小サイズでは不十分な理由の一つにスキャナーの性能の問題があります。
QRコードの読み取りは、使用するスキャナーやスマートフォンのカメラ性能に大きく依存します。
最新のスマートフォンであれば、小さいQRコードでも問題なく読み取れることが多いですが、古いモデルや解像度の低いカメラでは、読み取りが難しくなることがあります。
そのため、1セルあたり0.5mm以上のサイズを検討しても良いでしょう。
フライヤーやパンフレットなどの大きな印刷物では、QRコードのサイズをさらに大きくし、視認性を高めることができれば理想です。
実際に例としたQRコードを家庭用プリンターで印刷・iPhone XRの標準搭載カメラでスキャンしてみました。
その結果、最小とした11.6mmで印刷したQRコードも問題なく読み取ることができました。
正確にはピントを合わせる一手間が必要でしたが、読み取りは問題ありませんでした。
iPhone XRは古い機種なので最新の機種ではさらに読み取りやすくなっているので11.6mmでも十分と考えて良いでしょう。
一方、実際に名刺にQRコードを載せるケースを考えると20mmだと体感で少し大きすぎるように感じられます。
ここでは11.6mmから問題なく読み取れたので12mm - 15mmあたりが推奨サイズとします。
(サイズの決定はあくまでご利用はご自身の責任でお願いします。)
では逆にQRコードは大きい方が良いのでしょうか?
結論としては、読み取り端末のカメラに収まり、画質が劣化していなければ大きくとも問題ありません。
実際の大きいQRコードの例としてドローンで空中にQRコードを表示させることもあります。
またQRコードを引き延ばして大きくする場合、画質が足りず各ドットがぼやけると読み取りができなくなる可能性があります。
拡大する可能性がある場合は、いくら拡大しても劣化しないSVG形式で保存するのがおすすめです。
QRコードはSVGで作成すべき?用途別のおすすめ拡張子を解説
最大のQRコードのバージョンは40で一辺177セルです。
実際にiPhone、Androidスマートフォンを利用して最大バージョン40のQRコードの読み取りテストを行いました。
その結果としてはiPhone、Android共にバージョン40のQRコードを読み取ることはできました。
しかし読み取りは難しく、光の加減やピントの調整など読み取りができるまで数十秒かかってしまいました。
よって読み取り環境が一定でない場合、QRコードのバージョンはできる限り小さくする方が良いでしょう。
QRコードを作成する際、サイズ以外にも考慮すべき重要なポイントがあります。以下に、見落としがちな注意点をまとめました。
QRコードには、周囲に十分な余白(クワイエットゾーン)が必要です。
この余白がないと、スキャナーがQRコードの境界を認識できず、読み取りエラーが発生します。
推奨される余白は、コード全体の4セル分以上です。
例えば、QRコード本体が20mm四方の場合、余白を含めたサイズは28mm四方以上が望ましいです。
QRコードの背景色とコード自体の色には十分なコントラストが必要です。
カラフルなデザインを採用する場合でも、コントラストを損なわないよう注意してください。
QRコードには、誤り訂正レベル(低い順にL, M, Q, H)があり、高いほど損傷や汚れに強くなります。
ただし、誤り訂正レベルを上げるとQRコードのデータ量が増え、サイズも大きくなるためバランスを考えましょう。
誤り訂正機能について深掘りした内容はこちらで解説しています。
QRコードを作成・印刷する際、最小サイズはあくまで「必要最低限の目安」として考えるべきです。
読み取りやすさや視認性を高めるためには、余裕を持った推奨サイズを選ぶことが大切です。
推奨サイズの目安(あくまで目安です)は以下の通りです。
理論上必要な最小サイズを知りたい方はご紹介した手順で確認してみてください。
ただしあくまで印刷の都合上必要なサイズで読み取りが成功するかはスキャナー側の性能にも依存するので注意が必要です。
また、余白の確保やコントラスト、誤り訂正レベルなどのポイントにも注意を払いましょう。
適切なサイズとデザインを選ぶことで、QRコードの効果を最大限に引き出すことができます。
QRコード作成・バージョンの確認にはQR TOOLをご利用ください!
是非試してみてください!
QR WORLD(QRワールド) 編集部