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QRコードは、商品情報の提供や決済システムの導入など、多岐にわたる用途で利用されています。
近年、ビジネスシーンや日常生活においてもその普及が進んでおり、QRコードの機能を最適化したさまざまな種類が登場しています。
本記事では、QRコードの代表的な種類について、その特徴と用途に応じた選び方を解説します。
QRコードとバーコードは、どちらも情報の簡易的なデジタル管理や読み取りを可能にするツールですが、いくつかの違いがあります。
QRコードはバーコードを改良したいという思いで開発されているのでこれらの違いがあります。
QRコードの歴史や開発の背景はこちらで解説しています。
通常のQRコードは、最も基本的な形式で日常目にするQRコードはほとんどこれであるはずです。
QRコードにはモデル1とモデル2があります。現在日常で目にするQRコードはモデル2です。
モデル1は開発当初のQRコードで、最大のバージョンは14 (73×73セル)で数字1167桁まで扱うことができるモデルです。
モデル2は、コードが歪んでしまった場合でもスムーズに読取りが出来るように、モデル1を改良したもので、歪んだコードでも読み取りをスムーズにするのがアライメントパターンです。
例えば、コードが曲面に印字されたり、読み取り時の角度でコードが歪んだ状態でも、配置されたアライメントパターンによって、読み取ることができます。
モデル2の最大バージョンは40 (177×177セル)で、数字7089桁まで扱うことができます。
QRコードのバージョンの解説や文字ごとの容量一覧はこちらから
通常のQRコードは、広告、チケット販売、商品情報の提供など、情報量が多い場面で最も適しています。
マイクロQRコードは、少量のデータを格納するためのコンパクトなQRコードで、セルの数が最小11×11から最大17×17までと小型化されています。
QRコードの切り出しシンボルが3つなのに対してマイクロQRコードは1つなのが特徴です。
QRコードにある3つの目 = 切り出しシンボルの解説はこちら
情報量は少ないものの、QRコードを配置するスペースが限られている場合に非常に有効です。
マイクロQRコードはQRコードと同様に仕様が公開されています。
また開発者のデンソーウェーブは保有する特許権を行使を行なわないことを宣言しているオープンなコードです。
2004年にJIS(日本工業規格)として制定されています(JIS X 0510)
マイクロQRコードは、コンパクトな設計が必要な場合や、小型製品や狭いスペースに情報を載せる場合に多く利用されます。
出典: QRコードドットコム
rMQRコードは、通常のQRコードとは異なり、細長いの形状が可能なQRコードです。
データ容量は従来のQRコードと同等ながら、設置スペースに合わせて形状を調整できるため、幅の制約がある場合にも対応可能です。
2022年5月にISO規格に承認されています。
rMQRコードは、パッケージラベルや広告デザインの制約がある場合、特に狭い幅で情報を載せたいときに最適です。
店舗ディスプレイや商品パッケージで活用されます。
出典: QRコードドットコム
SQRC(Secure QR Code)は、データの一部を暗号化できるセキュリティ機能を持つQRコードです。
SQRCの見た目や機能(誤り訂正機能をはじめ、QRコードが本来持つ機能)はQRコードと同じものを全て有しています。
公開データと非公開データを設定でき、非公開データは暗号キーを持った端末でのみ読み取りが可能です
SQRCは、機密データや個人情報の管理が必要な場面で使用され、社員証や医療データ、機器の識別などに役立っています。
出典: DENSO WAVE
フレームQRコードは、デザイン性を重視したQRコードで、中央にブランドロゴやイラストを挿入できるのが特徴です。
キャンバス領域の形も自由に変更できます。
※通常のQRコードでも中央部分に画像を入れることができますが、誤り訂正機能に依存している使用方法です。
QRコード自体が広告やプロモーションツールとしても利用されるよう、視覚的に工夫が施されています。
フレームQRコードは、広告やマーケティングでの利用に最適です。
ブランドのロゴを挿入し、消費者の目を引きつけるデザインでプロモーションの効果を高めることができます。
出典: DENSO WAVE
スマホでの読み取りに対応している通常のQRコードがおすすめです。
視覚的なアピールが求められる場面では、フレームQRコードが適しています。ロゴやカラーを組み込むことで、ブランド認知度を高めることが可能です。
SQRCが最適です。特に医療や保険業界など、プライバシーやデータ保護が重要な場合に有用です。
マイクロQRコードやrMQRコードが、限られたスペースでも効果的に情報を提供できます。
QRコードを開発したデンソーは通常のQRコード以外でに用途に合わせたコードを開発していることがご理解いただけたかと思います。
現在普及しているのは通常のQRコードですが、ビジネスや限られた場所(倉庫や工場)などでは他のQRコードの活用の幅も広そうなことがわかりました。
QRコードは、用途や目的に応じてさまざまな種類が用意されており、各種の特徴を理解することで、最適なコードを選択することが重要です。
QRコードの活用によって、より便利で効率的な情報提供や管理を実現しましょう。
オリジナルのQRコードを作成したい場合はQR TOOLをご検討ください。
QR WORLD(QRワールド) 編集部