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QRコードでメールを起動する仕組みは、「mailtoリンク」というWebの技術が使われています。そして、このmailtoリンクは、メールの宛先(To)だけでなく、CCやBCC、件名、本文などを細かく指定する機能を持っています。
※QRコードの本来の規格では「一つの宛先のみ」ですがWebの技術を組み合わせて初めて可能となります。
この機能を活用することで、「1つのQRコードで複数のメールアドレスに送信する」という課題を解決できるのです。
ここからは、具体的な設定方法をパターン別に解説します。基本は、複数のメールアドレスを「,」(カンマ)で区切るだけです。
後述するツールでは自動でリンクを作成することができるので、リンクの技術的な作り方に興味のない方は次のセクションへお進みください。
メインの送信先である「To」に、複数のメールアドレスを設定したい場合の基本形です。
,
)で繋ぎます。mailto:[email protected],[email protected]
メインの宛先(To)とは別に、参考としてメール内容を共有したい相手を「CC」に追加します。
?cc=
」を付け、アドレスを入力します。CCに複数入れたい場合もカンマ(,
)で区切ります。mailto:[email protected][email protected]
mailto:[email protected][email protected],[email protected]
他の受信者には表示されずに、メール内容を共有したい相手を「BCC」に追加します。
?bcc=
」を付け、アドレスを入力します。BCCに複数入れたい場合もカンマ(,
)で区切ります。mailto:[email protected][email protected]
mailto:[email protected][email protected],[email protected]
これまでのテクニックをすべて組み合わせることも可能です。2つ目以降の要素(CCやBCCなど)は、「&
」で繋ぎます。
?
」、2つ目以降は「&
」で繋ぎます。mailto:担当者@example.com?cc=上司@example.com&bcc=管理部@example.com
前のセクションで解説したリンクの作成方法は、無料のQRコード作成サービス「QR TOOL」を使えば簡単に作成できます。
宛名の複数指定はもちろんCC・BCCもそれぞれ複数設定することができます。
たったこれだけで、複数の宛先が設定されたQRコードが完成します。
このテクニックは、ビジネスの様々な場面で情報共有を効率化し、対応漏れを防ぎます。
A. mailto
の仕様自体に明確なアドレス数の上限はありません。しかし、QRコードは情報量が増えるほどドットが細かくなり、読み取り精度が低下します。あまりにも長いメールアドレスや、数十件といった大量の宛先を設定すると、読み取れないQRコードになる可能性があるため、常識的な範囲(数件〜10件程度)での利用を推奨します。
A. ルールは簡単です。
mailto:アドレス
の直後に来る最初の要素(cc, bcc, subjectなど)の前には「?」を付けます。(例)mailto:[email protected][email protected]&subject=お問い合わせ
A. まずは入力した文字列に間違いがないか、特に「,」「?」「&」の記号が全角になっていないかなどを確認してください。また、作成後は必ずご自身のスマートフォンで正しく宛先が設定されるかテストすることをおすすめします。
これまでご紹介したように、mailtoリンクの仕組みを少し理解するだけで、1つのQRコードから複数のメールアドレスへ一斉にメールを送信する設定が簡単にできます。
この機能をマスターすれば、チーム内の情報共有を円滑にし、お客様への対応漏れを防ぎ、ビジネスの効率を大きく向上させることができるでしょう。「QR TOOL」を使えば、今日からでもすぐに実践できます。ぜひご活用ください。
参考記事1: メール送信用のQRコードとは?おすすめのツール比較
参考記事2: 問い合わせフォームとメール送信用QRコードの比較
QR WORLD(QRワールド) 編集部