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一口に「メールアドレスのQRコード」と言っても、実は目的によって作成すべきQRコードは2種類あります。
それぞれの特徴を理解し、あなたの目的に合ったQRコードを作成することが、効果を最大化するカギです。
「自分のメールアドレスを、LINEを交換するように手軽に相手に伝えたい」という場合に最適なのが、メールアドレス情報だけを含んだシンプルなQRコードです。
読み取ると、相手のスマートフォンでメールアプリが起動し、宛先(To)にあなたのメールアドレスが自動で入力されます。
「特定の要件に関する問い合わせをスムーズに受け付けたい」というビジネスシーンで絶大な効果を発揮するのが、この自動入力タイプです。
宛先に加えて、件名や本文の内容もあらかじめ設定できます。例えば、件名に「〇〇に関するお問い合わせ」、本文に「下記にご記入ください」といったテンプレートを設定しておくことが可能です。
この記事で後ほど紹介する無料ツールを使えば、どちらのタイプのQRコードも驚くほど簡単に作成できます。
メールアドレスのQRコードは、アイデア次第で様々なビジネスシーンの課題を解決できます。ここでは、具体的な活用事例を3つご紹介します。
名刺にメールアドレスのQRコードを印刷しておけば、相手はスマートフォンをかざすだけで、あなたのメールアドレスが入力された状態でメーラーを起動できます。
【ポイント】 口頭で伝えたり、相手に手入力してもらったりする必要がないため、聞き間違いや入力ミスといったトラブルを100%防げます。 また、「〇〇株式会社の△△です」と本文にあらかじめ署名を入れておけば、より丁寧な印象を与えられるでしょう。
イベントやセミナー終了後、アンケートの協力を依頼しても、なかなか回答が集まらないことはありませんか?
そんな時は、投影資料の最後や配布資料に「アンケート回答用QRコード」を掲載しましょう。件名に「〇〇セミナーのアンケート回答」、本文に回答フォームのURLを記載したQRコードを用意すれば、参加者はその場で手軽にアクセスできます。紙のアンケートを回収・集計する手間も省け、業務効率化にも繋がります。
商品カタログやチラシ、ポスターなどにQRコードを掲載すれば、興味を持ってくれたお客様をスムーズに問い合わせへと誘導できます。
【ポイント】 「商品Aに関するお問い合わせ」「B店への来店予約」のように、QRコードごとに件名や宛先を変えておくのがおすすめです。これにより、お客様が何に興味を持って連絡をくれたのかが一目瞭然になり、その後の対応が格段にスムーズになります。
これらの活用例は問い合わせフォームを作成する場合とのメリット・デメリットを比較することをおすすめします。
例えば回答データを処理する場合などは問い合わせフォームの方が便利な場合があります。
最も手軽な方法として、QR TOOLのような無料のオンラインツールを活用することが挙げられます。
このツールでは、メール起動用QRコードを簡単に作成できます。
以下に具体的な手順を示します:
これだけで、QRコードをスキャンするだけで特定のメールが作成されるようになります。
[入力画面]
[起動ボタンプレビュー]
[URL発行・QRコードデザインへを押すとQRコードの設定へ]
ここでは前述のQR TOOLを含め3つのオンラインツールをご紹介します。
以下で詳細を解説します。
まず一番におすすめするのは日本の法人が運営しているオンラインQRコードツールのQR TOOLです。
他のツールと比較した際の特徴は「宛先」「件名」「本文」を長文であっても指定可能である点です。
これは特にアンケートや、各種応募、問い合わせなどを受け付ける際に大きなメリットになります。
次におすすめするのがQRのススメです。こちらのサイトでも前述のQR TOOLと同様のメール送信用のQRコードを作成することができます。
各種丁寧な解説があるのが特徴で特に初心者の方にはおすすめできます。
記事執筆時点で400字ぐらいまでの文字制限があるので、本文に長文を含める必要がない方はこちらを候補にされるのも良いでしょう。
出典: QRのススメ
最後にご紹介するのがCMAN.jpのQRコード作成機能です。
前述の二つのツールと大きく異なるのがこのツールで作成できるのは静的なQRコードであるという点です。
参考記事: 動的(可変)QRコード・静的QRコードとは?
このツールでは宛先のメールアドレスのみ指定が可能です。
よって用途としてはアンケートや応募で返信用の本文を指定するのには向いていません。
別の特徴としてはメールアドレス入力の際にメールサーバーの存在を確認される点です。これにより入力間違いが少し減らすことができるのではないかと推測します。
出典: CMAN
ここでは3つのオンラインツールをご紹介しましたがそれぞれのツール表を比較表にまとめました。
用途に応じたツールを選択してください。
メール作成用のQRコードは、ユーザーのアクションを後押しし、コミュニケーションを円滑にするための様々なシーンで活躍します。具体的な活用場面を見ていきましょう。
Web上のフォームを利用したアンケートの作成方法はこちらの記事で解説していますのでよろしければご参考にどうぞ。
メール作成用QRコードの導入は、QRコードを読み取るユーザー(送信者)と、メールを受け取る設置者(受信者)の双方にメリットをもたらします。
単純に1件のメールアドレスをQRコード化するのであれば以下のようなフォーマットがあります。
iPhone・Androidスマートフォン各アプリでの読み取りテスト結果対応状況を一覧にしました。
この結果から下記のようなことが言えます。
次に複数の宛先(To)を設定できるかを試します。複数のメールアドレスを宛先にする場合はメールアドレス間をカンマで区切ります。
この内容で読み取りテストを行った結果です。
後者の形式であれば宛先(To)を複数カンマで区切って使用できることがわかりました。
前述のように宛先だけであれば直接QRコード化することができますが、結論として件名・本文を直接QRコード化するのは難しいです。
それを解決するのが、ここまででご紹介したQR TOOLです。その仕組みは以下の通りです。
Webページ上のリンクの形式であれば、宛名・件名・本文を指定してメールを起動することが可能です。
そのリンクに使用するのは以下のフォーマットになります。
mailto:[email protected]?subject=テスト件名&body=こちらはテストの内容です
これを実現しているのが前述のQR TOOLです。
[QR TOOLのメール起動リンク仕組み]
QRコードを作成する側だけでなく、読み取る側の使い方を理解しておくことも大切です。相手に使い方を聞かれた際に、スマートに案内できるようにしておきましょう。
操作は非常に簡単です。
iPhone・Androidともに基本的にはこれだけで、自動的にメールアプリが起動し、宛先や件名が入力された状態になります。
特別なアプリをインストールする必要はありません。
※一部の古い機種やAndroid端末では、別途QRコードリーダーアプリが必要な場合があります。
参考記事:
手軽で便利なメール作成用QRコードですが、効果的に活用するためにはいくつか注意点があります。
QRコードは非常に便利ですが、メールアドレスという個人情報を含むため、「不特定多数に公開しても安全なの?」「危険性はないの?」とセキュリティ面で気になる方も多いでしょう。
結論から言うと、QRコードの仕組み自体に危険性はありませんが、使い方によってはリスクが伴います。
ここでは「QRコードを作成・公開する側」と「QRコードを読み取る側」、両方の視点から、安全に利用するためのポイントを解説します。
ご自身のメールアドレスをQRコードにする際に、知っておくべき注意点です。
名刺のように特定の相手に手渡すQRコードと、Webサイトやチラシのように不特定多数の目に触れるQRコードとでは、リスクが異なります。
公開範囲が広い場所にメールアドレスを載せたQRコードを掲示すると、スパムメールや迷惑メールの収集対象となる可能性が高まります。対策として、普段使いのメールアドレスではなく、問い合わせ専用のフリーメールアドレスなどを用意することをお勧めします。
QRコードは誰でも簡単に作成できますが、作成ツールの中には、意図しない情報を埋め込んだり、ユーザー情報を収集したりする悪意のあるサイトも存在する可能性があります。
必ず、運営元が明らかで実績のある作成ツールを利用しましょう。その点、弊社の「QR TOOL」は、不要な情報を埋め込むことなく、安全にご利用いただけるツールです。
逆に、あなたが誰かのQRコードを読み取る際の注意点です。
街中のステッカーや、SNSで出所のわからない人物が投稿したQRコードなどを興味本位でスキャンするのは危険です。
悪意のある人物が作成したQRコードの場合、フィッシング詐欺サイトに誘導されたり、ウイルスに感染させられたり、意図しない宛先にメールを送信させられたりする可能性があります。誰が、何のために設置したのかが明らかなQRコードのみをスキャンするようにしましょう。
ほとんどのスマートフォンやリーダーアプリは、QRコードを読み取った後、すぐにメールを送信するのではなく、「"メール"で開きますか?」のように、一度ユーザーに確認を求めます。
この時に、画面に表示された宛先のメールアドレスや件名が、意図したものと合っているか必ず確認する習慣をつけましょう。もし少しでも怪しいと感じたら、メールを開かずにキャンセルしてください。
このように、QRコードは作成者と利用者の双方が正しい知識を持って利用することで、その利便性を安全に享受できます。
メールアドレス用のQRコードについて、お客様からよくいただくご質問をまとめました。
Q. QRコードに有効期限はありますか?
A. QRコード自体には有効期限はありません。QRコードに設定したメールアドレスが有効である限り、半永久的に使用できます。そのため、一度名刺や印刷物に載せてしまえば、長期間にわたって活用いただけます。
参考記事: QRコードの有効期限は?期限の有無とその理由や仕組みを解説
Q. 作成したQRコードの色やデザインは変更できますか?
A. はい、可能です。この記事でご紹介したような無料ツールを使えば、QRコードの色を変更したり、中央に会社のロゴを入れたりする「デザインQRコード」を作成できます。ただし、デザインが複雑すぎたり、色味が薄すぎたりすると、読み取り精度が低下する可能性があるため、作成後は必ずご自身のスマートフォンでテスト読み取りを行ってください。
参考記事:
QRコードの色を変える方法・背景との関係・読み取り性能を解説
QRコードの真ん中(中央)にロゴを入れる方法【おすすめ2選】
Q. 1つのQRコードに、複数のメールアドレスを設定できますか?
A. QR TOOLでは複数の宛先(To)やCC/BCCに対応しています。それ以外のツールでは1つのQRコードで設定できる宛先(To)は1つのみです。
参考記事: 1つのQRコードで複数のメールアドレスに送信する方法
Q. 安全に利用するための注意点はありますか?
A. QRコードは非常に便利ですが、見ただけではリンク先が分からないという側面もあります。悪意のある第三者が、不審なサイトへ誘導するQRコードを作成することも可能です。ビジネスで利用する際は、自社で作成・管理した信頼できるQRコードであることをお客様に伝えましょう。また、ご自身がQRコードを読み取る際も、提供元が明らかでないものは安易にスキャンしないようご注意ください。
この記事では、QRコードをスキャンするだけで、宛先・件名・本文が設定されたメールを作成する方法とそのメリット、活用場面、注意点について解説しました。
メール作成用QRコードは、ユーザーにとっては入力の手間やミスを減らし、設置者にとっては情報管理の効率化やユーザーアクションの促進につながる、双方にとってメリットの大きいツールです。
特に、問い合わせ窓口の設置、アンケートの実施、簡単な注文受付、イベント申し込みなど、定型的なメールコミュニケーションが発生する場面で大きな効果を発揮します。
ご紹介したQRコード作成ツールを使えば、誰でも簡単にメール起動用QRコードを作成できます。
ぜひこの記事で紹介したポイントや注意点を参考に、あなたのビジネスや活動にQRコードを取り入れて、コミュニケーションの効率化と円滑化を実現してみてはいかがでしょうか。
参考記事: 問い合わせフォームとメール起動用QRコードの比較
QR WORLD(QRワールド) 編集部