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GLNとは?基礎知識からGS1やJANコードとの関係まで解説

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GLN(Global Location Number)は、企業や施設、組織を一意に識別するための国際的な番号体系です。 主に流通や物流、医療分野で活用され、取引先や施設間の正確な情報管理に役立っています。 この記事では、GLNの概要や取得方法、構成要素、検索方法、さらにはGLNと他の識別番号との違いについて詳しく解説します。 これを読むことで、GLNに関する基本知識を理解し、実務での活用方法を確認することができます。

GLN(Global Location Number)とは?

概要

GLN(Global Location Number)は、企業や施設、組織を一意に識別するための国際的な番号体系です。

GS1が管理しており、世界中で統一的に使用される標準化された識別コードです。

GLNは、企業の所在地や物流拠点、店舗、倉庫、さらには部門や部署といったあらゆる場所や組織単位を識別するために用いられます。

この標準化により、取引や情報交換の際に混乱を防ぎ、効率的な管理をすることを目標としています。

主な用途

GLNは、主に以下のような用途で使用されます。

  • 企業間電子データ交換(EDI)における取引先や場所、送信先等のアクセスポイントの識別に利用されています。
  • 商品情報管理システム(PIM)における商品情報のメーカーごとの名寄せや、商品トレーサビリティ管理(入出荷先の把握)

桁数

GLNはJANコードと同様の13桁の数字で構成されています。

参考元

GLNに関する詳細は、GS1 Japanの公式ページをご覧ください。

GS1やGS1事業者コードに関する解説はこちら

GLNを構成する数字の意味は?

GLNは13桁ですがその内訳はGS1事業者コード(10桁 or 9桁 or 7桁)とロケーションコード(2桁 or 3桁 or 5桁)とチェックデジット1桁です。

GS1事業者コードの桁数によってロケーションコードの桁数が変わります。

桁数ごとの数字の意味

GLNを取得するには?

【STEP1】GS1事業者コード(10桁 or 9桁 or 7桁)を取得

GTIN-13(JANコード)などを設定するため、すでにGS1事業者コードの貸与を受けている事業者は、新たな申請手続きは不要です。

まだ取得されていない方はGS1へオンライン上で申請が必要です。

GS1事業者コード取得、更新には一定の費用がかかります。

GS1事業者コードの取得手順

GS1事業者コードの取得費用

【STEP2】ロケーションコード設定(2桁 or 3桁 or 5桁)

ロケーションコードを設定します。ロケーションコードの桁数は以下の通りで任意に設定します。

  • GS1事業者コードが10桁の場合ロケーションコードは2桁
  • GS1事業者コードが9桁の場合ロケーションコードは3桁
  • GS1事業者コードが7桁の場合ロケーションコードは5桁

【STEP3】チェックデジットを計算

STEP1のGS1事業者コードとロケーションコードを合わせると12桁になります。チェックデジットの計算を行いますが計算方法はモジュラス10でJANコード(GTIN-13)と同じです。

チェックデジットを計算方法

チェックデジット計算ツール

【STEP4】 完成したGLNを必要な取引先に通知

STEP1,2,3で取得した数字を合わせると13桁のGLNとなります。このGLNを必要な取引先に通知してご活用ください。

【STEP5】GS1 Japan Data Bankへ登録

作成したGLNは「GS1 Japan Data Bank -事業者・ロケーション情報-」へ登録してください。利用料は無料です。

GLN専用企業コードとは?

GLN専用企業コードとは、GLNのみを発行するために使用される専用のコードです。

通常のGS1事業者コードと異なり、商品識別コード(JANコードなど)の発行には使用されません。

「GLN専用企業コード」は2012年3月末日をもって新規登録申請の受付を終了しています。

基本GLNとは?

企業自身(GS1事業者コード登録事業者自身・企業識別)を表すGLNを「基本GLN」と呼びます。

  • 10桁GS1事業者コードの場合、ロケーションコード「00」(数字0を2桁)
  • 9桁GS1事業者コードの場合、ロケーションコード「000」(数字0を3桁)
  • 7桁GS1事業者コードの場合、ロケーションコード「00000」(数字0を5桁)を設定し「基本GLN」として利用します。

GLNのロケーションコードの設定の考え方や基準は?

ロケーションコードはGS1事業者コードを持っている事業者自身で任意で設定可能ですが、以下のような基準(一部抜粋)で設定するとされています。

  • GS1事業者コードの貸与を受けた事業者の責任で設定
  • 企業間取引で識別する必要のある単位で設定(社内で必要な単位ごとではなく対社外)
  • 必ずしも、部門ごと、店舗や営業所ごと、物流拠点ごと、決済用・受発注用・物流用に別々に設定しなければならないものではない(例: 本社と地方支社があるが、決済は本社一括の場合は、決済用GLNは本社のみで設定)
  • ロケーションコードは、階層構造等は持たせない

その他の基準はGS1サイト上でご確認ください。

GLNの検索方法は?

GLNは「GS1 Japan Data Bank -事業者・ロケーション情報-」から検索することができます。

このサイトでは以下の2種類の検索が可能です。

  • GLNを入力し事業者の検索する
  • 事業者名を入力し検索する

※グローバルIPアドレス単位で30回と制限があります。

GLNの他に企業を指す番号は?

GLN以外にも、企業や組織を識別するための番号が存在します。以下に代表的なものを挙げます:

法人番号13桁

日本国内で企業や法人を一意に識別するための番号です。国税庁が管理しており、主に税務関連で使用されます。

D-U-N-S® Number

D-U-N-S® Number(ダンズナンバー)は、米国のダン&ブラッドストリート社が管理する企業識別番号です。世界中の企業に付与され、信用調査や取引先の評価に使用されます。

GLNのこんな時どうする

複数のGS1事業者コードを持っている場合は?

いずれかのGS1事業者コードを利用してGLNを設定します。基本GLNに使用されているGS1事業者コードの使用が推奨されています。

GJDB -事業者・ロケーション情報-への登録は必須か?

GLN自体は設定した時点から利用が可能ですが、取引先への情報提供手段としてGJDBへの登録が推奨されています。

短縮タイプのGS1事業者コード(6桁)でGLNは設定できる?

短縮タイプのGS1事業者コードはGLNには使用できません。

GLNとGTINが被ってしまった場合は?

GLNとGTINは利用される分野が異なるので被ってしまったとしても問題はありません。

まとめ: GLNとは

GLN(Global Location Number)は、企業や施設を一意に識別するための国際的な番号体系であり、物流、流通、医療分野などで広く活用されています。

GLNに利用されているコードはJANコードと同じですが用途が違うことがお分かりいただけたかと思います。

またGLNはGS1が発行するJANコードでも使えるGS1事業者コードをもとに作成されます。

その13桁の構成や取得方法、他の識別番号との違いを正しく理解することで、業務の効率化や正確な情報管理に役立てることができます。

GLNの仕組みを把握し、活用することで、ビジネスの競争力を高めることが可能です。

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QR WORLD(QRワールド) 編集部

QRコード・バーコードの生成・読み取りシステムを開発してきた経験からお役立ち情報を発信しています。