目次
QRコードは私たちの生活に浸透し、支払い、アクセス、情報の提供など多くの場面で利用されています。
しかし、QRコードには限られた範囲での情報量が設定されているため、「組み合わせが尽きてしまうことがあるのではないか」という不安や、「異なる内容で同じQRコードが作られてしまう可能性はあるのか」といった疑問が生じることも少なくありません。
本記事ではこうしたQRコードの「枯渇」や「被り」について、どの程度のリスクがあるのかを解説します。
QRコードのパターン数は、サイズ(バージョン)やエラー訂正レベル、データの種類によって変化します。このセクションでは、QRコードがどのように作られているかに基づき、最小から最大の場合までのパターン数を解説します。
QRコードには、白黒それぞれのセルで構成されていますが、そのコードが持つセル数を示すのが「バージョン」です。
バージョンは1から40まであり、数字が大きくなるほどQRコードのサイズが大きく、より多くのデータを格納できるようになります。
※上記画像は誤り訂正レベルをあげると格納できる容量が減るというあくまでイメージ画像です
バージョン1は21×21セルの最小サイズで、バージョンが1増えるごとに4セルずつ拡大し、最大のバージョン40では177×177セルになります。
このように、QRコードは必要な情報量に応じて適切なバージョンが選択することが必要ですが、多くのQRコード作成サービスでは自動でバージョンは選択されます。
最小のバージョン1のQRコードは、21×21セルです。誤り訂正レベルをMとして数字のみを格納する場合は、数字を34個格納することができます。
最大のバージョン40(177×177セル)のQRコードになると、エンコード可能なデータ量が飛躍的に増加します。
ただし現実的にバージョンを大きくするとスマホ等で読み取りづらくなるので注意が必要です。
QRコードが自動的に細かくなった際(セル数が多い→バージョンが大きい場合)は必ず実際の端末で読み取りテストを行うことをおすすめします。
QRコードのバージョンの解説やそれぞれのデータ容量一覧はこちらをご参照ください。
ではQRコードが被ることはあるのでしょうか?
結論、QRコードが被ることは起こりえます。同じ文字列・バージョン・エラー訂正レベルを使用してQRコードを作成すると同じQRコードができます。
以下のような無料サイトで試してみてください。
無料・登録不要のQRコードの作成・読み取り | QR TOOL
同じQRコードが作成されたとして何か問題があるのでしょうか?
結論、全く不都合はありません。
なぜかというとQRコードは文字列の数だけ存在しており、複数のQRコードが作成されたとしても、例えるのであれば同じ文字を書いているというだけにすぎません。
例えば当サイトのURL(https://qr.c-cloud.co.jp/articles)を筆者がQRコード化しても他のどなたかがQRコード化しても同じものが作成されますがそれはなんら問題ありませんよね。
前述の通り、QRコードは文字列を指しているに過ぎませんので重複したとしても不都合はありません。
しかし何らかの理由でQRコードの図柄を変えたい場合は以下の項目で図柄が変わります。
実際に変えてみた例をご覧ください。
その他QRコードの色や中央に画像を変えること入れるなどしても見た目を変えることはできます。
QRコードが「枯渇」するというのを、組み合わせ数が尽きて新しいコードが生成できなくなる状態とすると、QRコードが世界で枯渇するということはありません。
QRコードが指し示すものの中身は文字列です。文字列は使ったとしても「枯渇」する性質ではないことはご理解いただけるかと思います。
強いて「枯渇」する可能性を考えると、あるサービスの中だけで「1-999」を順番にQRコード化し999まで到達すると「枯渇する」と言えなくはないのかもしれません。
ただしこの場合でも枯渇したのはあくまでサービス側が制限している文字列(番号)であってQRコードではないことに注意が必要です。
本記事では、QRコードの総パターン数や、重複や枯渇のリスクについて解説しました。
膨大な組み合わせが可能であり、それらは文字列を表現しています。
よって重複することもありますが、それらは単なる文字列なので問題とはならないということがご理解いただけたかと思います。
またQRコードは文字列なので「枯渇する」というような性質ではないことも解説しました。
重複を避ける必要はありませんが、あえて図柄を変えてみたい場合はエラー訂正レベルやバージョンを変えることで実現できます。
この記事がQRコードを正しく理解することにつながれば幸いです。
QR WORLD(QRワールド) 編集部