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JANコードのソースマーキングとインストアマーキングとは?

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JANコードは商品管理や流通に欠かせない重要なツールです。 特に「ソースマーキング」と「インストアマーキング」は、店舗運営や製品のトレーサビリティに大きな影響を与える仕組みとして注目されています。 本記事では、ソースマーキングとインストアマーキングの違いや、それぞれの作成方法、導入の際の注意点について分かりやすく解説します。 JANコードを正しく活用して、効率的な商品管理を目指しましょう。

JANコードのソースマーキングとは?

ソースマーキング(Source Marking)とは、製造業者やブランド所有者が商品に直接付与するJANコードのことです。これにより、流通の過程で商品がどのメーカーやブランドのものであるかが一目で分かるようになります。通常、製品パッケージやラベルに印刷され、製造段階でコードが付与されます

ソースマーキングが広まったきっかけ

ソースマーキングが広まった背景には、流通業界全体の効率化のニーズがあります。

従来は、各小売店が独自のコードを使用して商品管理を行っていましたが、これでは取引先が異なる場合にコードを再設定する手間がかかっていました。

1970年代以降、国際的な規格であるJANコードが普及し、製造元が商品に一貫したコードを付与することで、サプライチェーン全体でのトレーサビリティが向上しました。

ソースマーキングのJANコード例

JANコードのインストアマーキングとは?

インストアマーキング(Instore Marking)とは、小売店や特定の販売事業者が自店舗内で商品管理を目的に独自に付与するJANコードです。通常、店舗内でのみ利用されるため、流通業者間での共有は想定されていません。使用されるバーコードはJANコードでソースマーキングと同じく13桁です。

ソースマーキングは製造業者が付与するのに対し、インストアマーキングは小売業者が付与します。この違いにより、インストアマーキングは以下のようなケースで利用されることがあります:

  • ソースマーキングが付与されていない商品
  • 店舗限定の特別商品や再包装商品

これにより、店舗内でのスムーズな管理や価格設定が可能になりますが、インストアマーキングはあくまで店舗内利用を目的としているため、他の事業者への販売では使用できないという制約があります。

またソースマーキングではコードの冒頭2桁は日本を表す「45」「49」のいずれかですがインストアマーキングでは「20~29」または「02」を使用します。

インストアマーキングのJANコード例

JANコードのソース・インストアマーキングは必須なのか?

JANコードの付与は法律上必須ではありません。

しかし、実務的には多くの小売店や流通業者がJANコードを商品管理に活用しているため、付与しない場合は取引に制約が生じる可能性があります。

特にソースマーキングは、全国規模で商品を販売する際に不可欠です。一方で、インストアマーキングは規模の小さい事業者や特定店舗での販売に限定される場合に便利な選択肢となります。

ソースマーキングのJANコードの作り方

ソースマーキングを作成するには、以下の手順を踏む必要があります。

1. JANコードの事業者コードを取得

日本国内では、GS1 Japan(一般財団法人 流通システム開発センター)に登録することで、事業者コードを取得できます。このコードが、JANコードの先頭部分に付与されます。

GS1 事業者コードの取得方法や費用まとめ

2. 商品コードの付与

取得した事業者コードに基づいて、自社の商品ごとに固有の番号を設定します。

3. チェックデジットの計算

JANコードの最後の一桁は、コード全体の整合性を確認するためのチェックデジットです。指定されたアルゴリズムに基づいて計算します。

JANコードのチェックデジットに関する詳しい解説はこちらをご参照ください。

無料のチェックデジット計算ツール

4. コードの印刷

パッケージやラベルにJANコードを印刷します。印刷の際は、バーコードの読み取りやすさに配慮し、規格に準拠したフォーマットで出力することが求められます。

シンボルの出力には一括で複数のJANコードを作成できるQR TOOLが便利です。

ソースマーキングのJANコード例

インストアマーキングのJANコードの作り方

インストアマーキングでも基本的にソースマーキングでの作成方法と同じです。

異なるのは冒頭の2桁がソースマーキングでは「45」「49」のいずれかですがインストアマーキングでは「20~29」または「02」を使用することです。

またGS1の事業者コードを取得する必要はありません。

任意の商品アイテムコードをPLUの場合10桁NonPLUの場合6桁でつけます。

NonPLUの場合は次に価格4桁が入ります。

最後の1桁がチェックデジットである点は共通です。

インストアマーキングのJANコード例

インストアマーキングの「PLU」と「NonPLU」とは?

インストアマーキングには、「PLU(Price Look-Up)」コードと「NonPLU」コードの2種類があります。

PLU(Price Look-Up)とは

通常の商品に付与され、価格情報を含まないコードです。価格はPOSレジで読み取った際に事前に登録されているデータベースから参照(Look-Up)する仕組みです。

「プレフィクス2桁(20~29/02)」+「商品アイテムコード10桁(自由設 定)」+「チェックデジット1桁」で構成されます。

NonPLU(Non Price Look-Up)コードとは

 主に生鮮食品や量り売り商品など価格を固定できない商品に利用される価格情報が含まないインストアマーキングのコードです。

「プレフィクス2桁(20~29/02」+「商品アイテムコード6桁(自由設定)」+ 「価格4桁」+「チェックデジット1桁」で構成されます。

それぞれの特性を理解し、用途に応じて使い分けることが重要です。

PLUおよびNonPLUのインストアマーキング例

JANコードのインストアマーキングの注意点

インストアマーキングを利用する際には、以下の点に注意が必要です。

他の事業者への販売はできない

インストアマーキングは自店舗内での利用を目的としており、他の事業者での販売では使用できません。

先頭2桁のプレフィクスは「20~29」または「02」を使用

インストアマーキングはJANコードの国際規格の範囲外に位置付けられるため、指定されたプレフィクスを用いる必要があります。

まとめ

JANコードのソースマーキングとインストアマーキングは、それぞれ異なる目的と役割を持つ仕組みです。

ソースマーキングは製造元が一貫して付与するコードであり、インストアマーキングは小売店内での独自の運用に適した方法です。

適切に活用することで、商品管理の効率化やトレーサビリティの向上が実現します。

この記事を参考に、それぞれのマーキング方法を理解し、ビジネスに役立ててください。

JANコードシンボルを作成するにはこちらのオンラインツールをご利用ください。

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QR WORLD(QRワールド) 編集部

QRコード・バーコードの生成・読み取りシステムを開発してきた経験からお役立ち情報を発信しています。