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QRコードは、1994年に日本のデンソーウェーブが開発した二次元コードです。
「Quick Response」の略で、名前の通り、迅速な読み取りが可能です。
正方形のモジュールが縦横に並ぶ構造を持ち、多くの情報を小さなスペースに格納できます。
近年では、電子決済、デジタル名刺、商品の追跡管理など幅広い用途で活用されています。
また、QRコード読み取りに標準対応しているスマートフォンの普及により、専用のリーダーがなくても簡単に読み取れることが人気の理由です。
QRコード(二次元コード)について深掘りした記事はこちらをご参照ください。
バーコードは、一列に並んだ線(バー)とその間隔で情報を表すコードです。
1949年にアメリカで発明され、1960年代に実用化されました。
一次元コードとも呼ばれ、主に数字やアルファベットの情報を持ちます。
代表的な用途として、小売業での商品管理や在庫管理、物流追跡などがあります。
単純な構造ゆえに作成や運用が低コストで済む点が特徴です。
QRコードは、縦横両方向に情報を記録できるため、バーコードに比べて格段に多くのデータを格納できます。
例えば、QRコードには最大で7,089文字の数字や4,296文字のアルファベットを記録可能です。
この特性から、URL、連絡先情報、メッセージなど、幅広いデータを直接埋め込むことができます。
また、誤り訂正機能も備えており、最大30%程度の損傷があっても読み取りが可能です。
バーコードは基本的に横方向に情報を持つため、データ量が限られています。
代表的なEANコードでは13桁の数字が最大です。
記録できる情報が少ないため、追加情報はデータベースとの連携が必要です。
しかし、単純な情報が求められる場面では、その軽量さがむしろメリットとなります。
QRコードは、専用のスキャナーだけでなく、スマートフォンカメラでも簡単に読み取ることが可能です。
また、汚れや損傷があった場合でも、高い誤り訂正能力によりデータが復元されやすい点が特徴です。
このため、屋外広告やイベントチケットなど、厳しい環境で使用される場面でも実用性が高いとされています。
バーコードもスキャナーで簡単に読み取れますが、QRコードに比べて損傷や汚れに弱い傾向があります。
特にバーの一部が欠けると全体が読み取れなくなる可能性が高いため、バーコードを使用する際は、印刷品質や保存状態に気を配る必要があります。
その一方で、きれいな状態であれば瞬時にデータを読み取れるため、効率性は高いです。
バーコードはその構造がシンプルで、生成に高価な技術や特別なツールを必要としません。
一方、QRコードはその複雑な構造から、生成に若干のコストがかかります。
ただし、現在では無料で利用できる生成ツールが多数存在するため、QRコードの生成も事実上コストレスに近いです。
バーコードは、既存のスキャナーやレジシステムと広く互換性があるため、運用面でのコストが低いのが特徴です。
QRコードの場合、スマートフォン対応や最新のリーダーシステムが必要な場合がありますが、その多機能性を考えれば十分に元が取れると言えます。
共通のセキュリティリスクQRコードとバーコード自体に特段のセキュリティ面の違いはありません。
しかし、使われ方によりセキュリティ面の懸念事項に一部違いが発生します。
悪意ある第三者がコードを改ざんし、不正なデータやURLを埋め込むことがあります。
特にQRコードは印刷物やスクリーン上で広く使用されているため、偽のコードを掲示してユーザーを誘導する「QRコードジャック」の被害が報告されています。
QRコードの場合、改ざんされたURLを読み取ることでフィッシング詐欺サイトに誘導されることがあります。
バーコードの場合も、偽のコードを偽装するようなことは考えられますが、QRコードと違い一般人が読み取りを行う場面は少ないのでこういった不正行為は起こりにくいと言えます。
QRコードやバーコードの読み取りには下記のようなツールが便利です。
QRコードやバーコードは、スマートフォンを使ったキャッシュレス決済の主力技術として広く採用されています。
ユーザーがアプリでQRコードをスキャンするだけで、瞬時に取引が完了する利便性が特徴です。
ここでは特にシェアの高いPayPayを取り上げます。
PayPayにおいて支払い側がコードを読み取る際はQRコードが活用されます。
QRコードが店舗のレジ付近に掲示されているのをみたことのある方も多いのでは無いでしょうか?
ストア側が読み取りを行う場合は支払い者のアプリに表示されたバーコードをレジのスキャナーで読み取ります。
バーコードはPOSシステムでも利用されており、レジとの親和性が高いことが見て取れます。
QRコードは、その情報量や誤り訂正レベルに応じてサイズが変化します。
情報量が多いほど、コード内のモジュール(小さな正方形)が増え、コード全体の大きさも大きくなります。
通常、日常的な用途では2~4センチ四方程度のサイズが使用されますが、デジタル広告や大型イベントでは数十センチ四方の巨大なQRコードが使用されることもあります。
QRコードの特徴として、小さなスペースに膨大な情報を詰め込めることが挙げられます。
また、一定以上の解像度を確保すれば縮小しても読み取りが可能です。
ただし、あまりにも縮小すると、モジュールの視認性が低下し、スキャンエラーの原因となるため、用途に応じた適切なサイズ設計が求められます。
バーコードは、その構造上、情報量が増えると横幅が長くなる特徴があります。例えば、EAN-13バーコードの場合、バーコードについている数字を含めた標準的なサイズは37.29mm×25.93mm(横×縦)です。
文字数が多いバーコード(例:コード128)では、幅がさらに広がるため、限られたスペースでの運用が難しくなることもあります。
バーコードはQRコードに比べて高さを自由に調整しやすいですが、横幅は情報量に依存するためスペースに制約がある場合には不向きです。
特に小型製品やパッケージなどではサイズの最適化が必要です。
QRコードは、全方向から読み取りが可能な点が大きなメリットです。
コード内には「位置検出パターン」と呼ばれる大きな四角形が3つ配置されており、このパターンによりスキャナーがコードの向きや位置を自動で認識します。
そのため、コードが縦向き、横向き、斜め、または上下逆さまになっていても、正確にデータを読み取ることができます。
この特性は、QRコードを動的に利用する場面(例:電子決済やデジタル広告など)で非常に役立ちます。
ユーザーがスキャナーを正確な位置に合わせる必要がないため、スムーズな操作が可能です。
またQRコードは歪みにも対応するためアライメントパターンという四つ目の目があります。
バーコードは、横方向(バーが並んでいる方向)にしか情報が記録されていないため、読み取りには一定の向きが必要です。
スキャナーが正確にバーコードの横方向を認識できない場合、読み取りエラーが発生します。
この制約から、読み取り作業が効率的に行われるよう、バーコードの印刷や配置には注意が必要です。
ただし、最近では全方向スキャナー(オムニディレクショナルスキャナー)を使用することで、バーコードの向きをある程度自動認識できる技術も普及しています。
それでも、QRコードほどの柔軟性はありません。
QRコードは、最新のスキャナーやスマートフォンのカメラを使用すれば、瞬時にデータを読み取ることができます。
その理由は、QRコードが全方向からの読み取りをサポートし、情報の位置を自動的に検出できる「位置検出パターン」が組み込まれているためです。
さらに、誤り訂正機能が備わっており、一部が汚れていたり損傷していたりしても正確にデータを復元できます。
読み取り速度は、情報量やスキャナーの性能にも依存します。
情報量が多くなるとスキャンにわずかに時間がかかる場合がありますが、それでも一般的には非常に速いです。
また、スマートフォンアプリによるQRコードの読み取りでは、自動フォーカスやAI技術を活用することでさらに速度が向上しています。
バーコードは、そのシンプルな構造ゆえに、専用スキャナーでの読み取り速度が非常に速いのが特徴です。
バーコードスキャナーは光学的にバーの幅と間隔を検出し、瞬時に情報を解読します。
この速度は、特にPOSレジや物流倉庫など、大量の商品やパッケージを迅速に処理する必要がある場面で大きな利点となります。
ただし、バーコードは読み取りに特定の向きが必要であり、スキャナーとコードの位置が正確に揃っていないとエラーが発生することがあります。
この点で、QRコードほどの柔軟性はありません。
QRコードとバーコードは、それぞれの特性を活かして幅広い分野で利用されています。
QRコードは情報量が多く、柔軟性に優れている一方、生成やセキュリティ面での注意が必要です。
バーコードは低コストで運用でき、シンプルなシステムに向いていますが、情報量の限界が課題となります。
両者の特性を正しく理解し、使用目的に応じて使い分けることが、業務効率化や利便性向上の鍵です。
ここまでの内容を大まかにまとめると以下のような表になります。
デジタル化が進む中で、これらのコードの可能性を最大限に活用していきましょう。
QRコードやバーコードを作成・読み取りできるオンラインツールのおすすめはQR TOOLです。以下のような特徴があります。
QR WORLD(QRワールド) 編集部