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PDF417(Portable Data File 417)は、1991年に米国のSymbol Technologies社(現在のモトローラ社)によって開発された2次元コードの一種で、スタック型(積み重ね型)のシンボルが特徴です。
PDF417は、国際標準物流ラベル(ISO15394)では、EDIデータの標準シンボルに採用されています。
縦横に情報を持つので2次元コードと呼ばれます。バーコードは横方向にしか情報を持たないので、そういった意味ではどちらかといえばQRコードの仲間に近いと言えます。
名前の「PDF」は「Portable Data File(ポータブルデータファイル)」の略で、「417」は各コードワードが4つのバーとスペースと17モジュールから構成されていることを意味します。
「PDF417」という名称に「PDF」が含まれていますが、Adobeの「PDF(Portable Document Format)」とは無関係です。PDF417はバーコードの一種であり、ドキュメントフォーマットではありません。
PDF417は、以下のような用途で広く活用されています。
PDF417はQRコードと同様に様々な文字をサポートしています。
2000年にISO/IEC 規格に登録、2010年3月には、JISX0508:2010として規格化されています。
PDF417の基本構造は以下の要素で成り立っています。
高さは最小3行、最大で90行です。
ご覧いただいたようにPDF417横長の長方形のような形になります。大きさはQRコードと4倍とも言われています。
PDF417の誤り訂正機能とはシンボルの一部が欠けたり損傷した場合でも正しくデータを読み取るための仕組みです。
シンボル作成時に0 ~ 8までの9段階で指定できます。(QRコードの誤り訂正レベルはLMQHの4段階)
リードソロモン方式が採用されています。
誤り訂正レベルによる修復可能なデータコード語の数は、以下のようになります。
※推奨レベルは、2 ~ 5
PDF417シンボルを作成するには以下のオンラインツールを利用する方法がおすすめです。
PDF417に対応しているバーコードリーダーは多くありませんがQR TOOLで読み取ることが可能です。
※Mac版Chromeではデータが表示されない不具合があります
結論、デフォルトでインストールされているカメラではPDF417を読み取ることはできません。
前述のオンラインツールを利用するか、専用のバーコードスキャナーを導入することをお勧めします。
コンパクトPDF417は、PDF417の右側指示子(ライトローインジケータ)を省略し、ストップパターンを1モジュールの幅にしたものです。
[コンパクトPDF417の例]
通常のPDF417よりもサイズが小さく、印字スペースの制約があり、かつ損傷があまり発生しない場面で使用されます。
QR TOOLではコンパクトPDF417をオンラインで作成することができます。
マクロPDF417は、大量のデータを、複数のPDF417に分割し保存したシンボルのことです。
分割して保存することにより、1つのコードに収まりきらない大きなデータも分散して格納できます。
マイクロPDF417(MicroPDF417)は1992年にシンボルテクノロジー社が開発したスタック型の2次元コードです。
[マイクロPDF417の例]
PDF417を基本に開発されており、スタート・ストップパターンを簡略化、1モジュールの高さを2倍にし、情報密度を向上し省スペースを実現しています。
QR TOOLではマイクロPDF417(MicroPDF417)をオンラインで作成することができます。
GS1合成シンボルは、PDF417と他のバーコード規格(EAN-13など)を組み合わせたものです。流通業界などで活用され、商品情報やトレーサビリティ情報を統合して管理できます。
GS1とは、商品やサービスの識別コードを国際的に標準化する非営利団体です。
GS1についての解説はこちらをご参照ください。
PDF417は、大量のデータを格納できる2次元バーコードで、物流、航空業界、身分証明書などさまざまな分野で活用されています。
PDF417の派生規格(MicroPDF417、マクロPDF417、GS1合成シンボルなど)も存在し、用途に応じて最適な形式を選ぶことが重要です。
オンラインツールを使えば簡単に作成・読み取りが可能で、スマホアプリでもスキャンできます。
QR WORLD(QRワールド) 編集部