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二次元コードとは、縦横に情報を持つコードのことで、生活の中での代表的な例はQRコードです。バーコード(一次元コード)が一方向にのみ情報を持つのに対して、二次元コードは縦横の両方に情報を持つことができるので、より効率的に情報を表現できます。
日常生活の中で見かける機会が増えた「二次元コード」。特に「QRコード」はその代表格として広く認知されています。
しかし、厳密にはQRコードは二次元コードの一種に過ぎません。
二次元コードとは、縦横の2方向に情報を持つコードの総称です。
一方、QRコードは日本の企業であるデンソーウェーブが開発した二次元コードの1つであり、独自の特許技術を基にしたフォーマットが使われています。
そのため、文脈によっては「二次元コード=QRコード」として扱われることもありますが、正確には二次元コードには他にもさまざまな種類が存在します。
「QRコード」という名称はデンソーウェーブの登録商標です。
そのため、一般的な解説記事や商業目的のコンテンツでは、商標権の関係から「二次元コード」という表現を使うことが多くなっています。
※「QRコード」という単語を使用する場合には「QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です」と表記すれば使用すること自体は問題ないということです。
「二次元バーコード」という言葉を耳にすることがありますが、これは「二次元コード」とほぼ同じ意味で使われています。
ただし、技術的に厳密な言い方をするならば、「バーコード」は(バー=棒)で本来、棒(直線)で表現した一次元(横方向のみ)に情報を記録するコードを指します。
そのため、「二次元バーコード」という言い方はやや不正確であり、「二次元コード」の方が適切な表現といえるでしょう。
二次元コードには、情報の記録方法によって大きく「マトリックス式」と「スタック式」の2種類に分類されます。
マトリックス式とは縦横のマス目(セル)で情報を表現する方式。縦横のマス目(セル)で情報を表現する方式を指します。
主なマトリックス式二次元コード:
複数のバーコードを積み重ねる(スタックする)ことで情報量を増やした方式のことを指します。
主なスタック式二次元コード:
例えば、以下のような二次元コードが存在します。
以降のセクションでそれぞれ詳しく解説します。
QRコードは、デンソーウェーブが開発した二次元コードの一種であり、特にスマートフォンでのスキャンに適しています。
シンプルな構造で高速読み取りが可能なため、マーケティングや決済システムなど、幅広い分野で使用されています。
QRコードには誤り訂正機能が備わっており、コード部分が一部欠損したり読み取れなかったりする場合でも正しく読み取ることができます。
マイクロQRコード(MicroQRCode)は、通常のQRコードよりも小型で、限られたスペースでも使用できる二次元コードの一種です。1997年に日本の会社であるデンソー(現在のデンソーウェーブ)によって開発されたマトリクス型の二次元コードです。
従来のQRコードが21×21セル以上のサイズを必要とするのに対し、マイクロQRコードは最小11×11セルから最大でも17×17セルまでです。
そのため、小さな製品ラベルや電子機器の部品、医療機器など、スペースが限られた場面で活用されます。
また切り出しシンボル(目の部分)も通常のQRコードが3つなのに対してマイクロQRコードは一つのみです。
rMQRコードは、細長い形状が特徴のQRコードの一種で、スペースが限られたパッケージやラベルなどに適用されます。特に製造業での活用が期待されています。
特徴:
DataMatrix(データマトリックス)は、工業製品や医薬品などのマーキング用途で広く使われている二次元コードです。
正方形または長方形のドットパターンで情報を表現するコードです。特に小さなサイズでも高い情報密度を持つことから、物流、製造業、医療分野などで機器などに直接マーキングする方法として広く利用されています。
DataMatrixには以下のような種類が存在します。
DataMatrix(データマトリックス)に関するより詳細な解説記事はこちらから
PDF417(Portable Data File 417)は、1991年に米国のSymbol Technologies社(現在のモトローラ社)によって開発された2次元コードの一種で、スタック型(積み重ね型)のシンボルが特徴です。
航空券・搭乗券(空港のチェックイン) や運転免許証や身分証明書(アメリカなどで導入)で活用されています。
PDF417には以下の派生フォーマットが存在します。
AztecCodeは1995年にアメリカの企業「Welch Allyn」によって開発されました。
AztecCodeは、他の二次元コードと異なり、周囲に余白(クワイエットゾーン)が不要なため、限られたスペースでも使用しやすいのが特徴です。主に交通機関のチケットやモバイル搭乗券などに利用されています。
英語で「Aztec」はアステカ文明を意味しており、中央のファインダパターンがアステカ文明のピラミッドを連想させることに由来しています。
AztecCodeには以下の派生フォーマットが存在します。
MaxiCode(マキシコード)は、主に物流・配送業界で使用される二次元コードで、米国のUPS(United Parcel Service)が開発しました。
主に物流業界で使用され、高速でのスキャンが可能なため、国際配送や貨物追跡において重要な役割を果たしています。
GS1合成コードは、一次元コード(バーコード)と二次元コードを組み合わせたハイブリッド型のコードです。医薬品や食品のトレーサビリティ管理に利用されます。
使用される一次元シンボル(下の層)
使用される二次元シンボル(上の層)は以下の通りです。
GS1合成シンボルには以下の派生フォーマットが存在します。
冒頭部分で解説した通り、QRコードは二次元コードの一種であり、最も普及している形式です。
他の二次元コードと比べて、以下のような特徴があります。
特にQRコードはスマートフォンで手軽に読み取りができるようになっているので他の二次元コードと比較してtoCサービスなど身近な場所で利用されています。
バーコードと二次元コードの違いは以下のような点にあります。
二次元コードの代表であるQRコードは様々な文字に対応しており、例えばURLへのリンクに使用されます。
一方、特に多くの方にとっての一番身近なバーコードはJANコードです。JANコードはスーパーやコンビニにある商品についているバーコードでレジで読み取り利用します。
使い分けとしては、より複雑な情報を表現するのに向いているのが二次元コードで、シンプルな情報のみを高速で読み取りたい場合にはバーコードが利用されています。
このページでご紹介した二次元コードは全てQR TOOLで作成することができます。
対応している二次元コードは以下の通りです。
全て無料・登録不要・商用利用可能でご利用いただけます。
QR TOOLでは二次元コードの読み取りにも対応しています。
読み取りに対応しているコードは以下の通りです。
この記事ではQRコードを含む二次元コードをご紹介しました。
それぞれ用途が違い改めて見てみると面白いですね。
みなさんも身近にある二次元コードを見つけてみてください!
QR WORLD(QRワールド) 編集部