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マイクロQRコードとは?概要から作成方法・読み取り方法まで解説

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マイクロQRコードは、通常のQRコードよりも小型で、限られたスペースでも活用できる便利なコードです。 特に、製品ラベルや小型デバイスなどに最適で、省スペースながら情報をしっかりと埋め込むことができます。 本記事では、マイクロQRコードの概要から作成方法、読み取り方、対応デバイス、データ容量などについて詳しく解説します。

マイクロQRコードとは?

マイクロQRコード(MicroQRCode)は、通常のQRコードよりも小型で、限られたスペースでも使用できる二次元コードの一種です。1997年に日本の会社であるデンソー(現在のデンソーウェーブ)によって開発されたマトリクス型の二次元コードです。

従来のQRコードが21×21セル以上のサイズを必要とするのに対し、マイクロQRコードは最小11×11セルから最大でも17×17セルまでです。

そのため、小さな製品ラベルや電子機器の部品、医療機器など、スペースが限られた場面で活用されます。

2004年11月にJIS(日本工業規格)として制定されています。(JIS X 0510)

QRコードと同様にマイクロQRコードも仕様は公開されています。

デンソーウェーブが特許(特許第2938338号)を保有していますが、QRコードと同様に権利行使を行なわないことが宣言されています。

通常のQRコードについての解説はこちら

マイクロQRコードと通常のQRコードの違い

「マイクロQRコード」は単にQRコードを小さく表示したものではなく、通常のQRコードと異なる規格で、細かく見ると見た目も異なります。

マイクロQRコードと通常のQRコードにはいくつかの違いがあります。

項目
マイクロQRコード
通常のQRコード
サイズ
小型(最小11×11セル)
大きめ(最小21×21セル)
格納データ量
最大35文字(数字のみの場合)
最大7,089文字(数字のみの場合)
用途
小型デバイス、部品管理、医療
汎用的な広告、決済、URL共有
誤り訂正レベル
L,M,Qの3段階
L,M,Q,Hの4段階
読み取り対応
一部のリーダーのみ
ほとんどのQRリーダー対応
対応バージョン
M1~M4の4つのみ
1~40の40段階

通常のQRコードのバージョン(データ容量)に関する解説はこちら

マイクロQRコードは、小型で省スペースなため、特定の用途に適していますが、情報量が多い場合や一般的な利用では通常のQRコードが推奨されます。

見た目の違い1(切り出しシンボル)

QRコードには目のような部分(ファインダパターン・切り出しシンボル)があります。

これはQRコードのある位置を検出するためのものです。

通常のQRコードでは4つありますが、マイクロQRコードでは左上の一つだけです。

切り出しシンボルについての詳細解説はこちらから

切り出しシンボル

見た目の違い2(アライメントパターン)

通常のQRコードにはモデル1とモデル2が存在し、モデル2にはアライメントパターンという小さな目がついています。

アライメントパターンは歪んだコードでも読み取りをスムーズにするものです。

例えば、コードが曲面に印字されたり、読み取り時の角度でコードが歪んだ状態でも、配置されたアライメントパターンによって、読み取ることができます。

マイクロQRコードにはこのアライメントパターンがありません。

アライメントパターンの有無

見た目の違い3(必要な余白)

QRコードでは4セル分の余白(クワイエットゾーン)がコードの周辺に必要でしたが、マイクロQRコードの場合、これが2セル分で済みます。これによりさらに必要な面積が小さくなります。

通常のQRコードの必要な余白(マージン)についてはこちらをご参照ください。

クワイエットゾーンの違い


このような見た目の違いを知っていれば通常のQRコードとマイクロQRコードいは見分けることができます。

マイクロQRコードの作成方法

QRコードを作成する方法は多数存在しますが、マイクロQRコードを作成する方法はご存知でしょうか。

ここでは手軽に使えるQR TOOLのマイクロQRコード作成機能をご紹介します。

  1. QR TOOLのマイクロQRコード作成ページへアクセス
  2. テキストを入力
  3. 必要に応じて余白・画像タイプを指定
  4. 「保存」ボタンからダウンロード
QR TOOLのマイクロQRコード作成機能

以上の手順で簡単にマイクロQRコードを作成することができます。

マイクロQRコードをiPhoneやAndroidスマホで読み取る方法

マイクロQRコードはiPhoneやAndroidのデフォルトのカメラ機能では読み取ることはできないので、専用のQRコードリーダーや以下のような専用アプリをダウンロードしてスキャンしてください。

クルクルQRコードリーダー

QRコードの開発をしたデンソーウェーブに紹介されているQRコードリーダーで通常のQRコードの他マイクロQRコードにも対応しています。

iOS、Androidどちらでも利用できます。

クルクル

出典: デンソーウェーブ

App Store

Google Play

マイクロQRコードが読み取れないのはどんな時?

マイクロQRコードが正常に読み取れない場合、以下のような原因が考えられます。

  • 対応していないQRコードリーダーを使用している
  • 印刷品質が低く、ドットがつぶれている
  • コードサイズが小さすぎる(推奨サイズ以上での印刷が必要)
  • 光の反射や汚れがある(明るい場所で、クリアな状態で読み取る)

これらの点をチェックし、適切な方法で読み取るようにしましょう。

マイクロQRコードの最小サイズ

一般的にはQRコードの1セル(黒または白のマス) = 0.4mm以上が推奨されています。マイクロQRコードの最小サイズは11×11セルで考えると6mm程度となります。

計算過程は以下のとおりです。マイクロQRコード余白には1辺につき2セル分必要なので、

(11セル+4セル: 左右の余白)=15セル分

15セル×0.4mm= 6mm

※あくまで一般的な大きさで、プリンターやQRコードスキャナーの精度を確認する必要があります。

マイクロQRコードのバージョンごとデータ量(文字数)

マイクロQRコードのバージョンごとの最大データ量は以下の通りです。

バージョン
セル数
誤り訂正レベル
数字
英数字
バイナリ
漢字
M1
11
なし
5
0
0
0
M2
13
L
10
6
0
0
M2
13
M
8
5
0
0
M3
15
L
23
14
9
6
M3
15
M
18
11
7
4
M4
17
L
35
21
15
9
M4
17
M
30
18
13
8
M4
17
Q
21
13
9
5

このように漢字であれば最大でも9文字までしか格納できません。

情報量が多い場合は、通常のQRコードの利用を検討してください。

まとめ: マイクロQRコードの特徴

マイクロQRコードは、通常のQRコードよりも小型で、省スペースな用途に最適な二次元コードです。以下の特徴を持っています。

  • 小型サイズで省スペースに最適
  • 最大35文字程度の情報を格納可能
  • 特定のQRコードリーダーで読み取り可能
  • 工業用途や医療、電子機器などで活用される

利用シーンに応じて、通常のQRコードとマイクロQRコードを使い分けることで、より効率的な情報管理が可能になります。

マイクロQRコードの作成にはQR TOOLをお試しください。

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QR WORLD(QRワールド) 編集部

QRコード・バーコードの生成・読み取りシステムを開発してきた経験からお役立ち情報を発信しています。