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可変QRコードとは?印刷後もリンク先・URLを変更できる仕組みや作り方を解説

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「一度印刷したQRコードのリンク先を後から変更したい…」 「キャンペーンごとにQRコードを作り直すのは面倒…」 そんな悩みを解決するのが可変QRコード(動的QRコード)です。この記事では、「可変QRコード」とは何か、その仕組み、メリット・デメリット、作成方法、そして具体的な活用事例まで、網羅的に解説します。

可変QRコード(動的QRコード)とは?

可変QRコードとは、QRコードの画像自体は変えずに、読み取り先のURL(リンク先)やコンテンツを後から自由に変更できるQRコードのことです。「動的QRコード」とも呼ばれます。

静的QRコードとの違い

一般的なQRコード(静的QRコード)は、作成時に指定したURLや情報が直接埋め込まれています。そのため、一度作成・印刷してしまうと、リンク先を変更することはできません。リンク先を変更するには、新しいQRコードを作成し、印刷物などを差し替える必要があります。

静的QRコードと動的QRコードの違い

一方、可変QRコード(動的QRコード)は、QRコード自体には管理用の中継URLが埋め込まれており、ユーザーがスキャンすると、まずその中継サーバーにアクセスします。そして、そのサーバー上で設定された最終的な目的URLにリダイレクト(転送)される仕組みになっています。

この「最終的な目的URL」を管理画面などから変更することで、QRコードの画像を差し替えることなく、リンク先を自由に変更できるのです。

可変QRコードの仕組み

もう少し詳しく可変QRコードの仕組みを見てみましょう。

  1. QRコード生成: 可変QRコード作成サービスを利用し、QRコードを生成します。このとき、QRコードにはサービスが管理する「中継URL」が記録されます。
  2. 初回アクセス: ユーザーがQRコードをスキャンすると、まずこの「中継URL」にアクセスします。
  3. リダイレクト: 中継サーバーは、あらかじめ設定されている「最終的な目的URL」を認識し、ユーザーのデバイスをそちらへ自動的に転送(リダイレクト)します。
  4. リンク先変更: 管理者は、作成サービスの管理画面などから「最終的な目的URL」をいつでも変更できます。
  5. 変更後のアクセス: ユーザーが同じQRコードを再度スキャンすると、中継サーバーは新しく設定された目的URLへユーザーを転送します。

このように、間に中継サーバーを挟むことで、柔軟なリンク先の変更を実現しています。

可変QRコードのメリット

可変QRコード(動的QRコード)には、静的QRコードにはない多くのメリットがあります。

  1. 印刷物の差し替え不要でコスト削減: 最大のメリットは、リンク先を変更するためにポスターやチラシ、名刺などを再印刷する必要がない点です。これにより、印刷コストや差し替えの手間を大幅に削減できます。
  2. 柔軟な情報更新: キャンペーン情報、イベント詳細、商品情報など、状況に応じて最新の情報へスムーズに誘導できます。URLの入力ミスがあった場合も、後から簡単に修正可能です。
  3. アクセス解析が可能: 多くの可変QRコード作成サービスでは、スキャン回数、日時、場所(IPアドレスから推定)、デバイスの種類などのアクセスデータを計測・分析する機能が提供されているものがあります。これにより、マーケティング効果測定などに役立てられます。
  4. A/Bテストの実施: 同じQRコードを使いながら、遷移先のランディングページを複数用意して、どちらがより効果的かといったA/Bテストを容易に実施できます。
  5. 長期的な利用: 名刺や製品パッケージなど、長期間使用される媒体に掲載する場合でも、常に最新の情報を提供し続けることが可能です。

可変QRコードのデメリット・注意点

便利な可変QRコードですが、いくつか注意点もあります。

  1. サービスへの依存: 可変QRコードは、提供元のサービスが存続している限り機能します。もしサービスが終了してしまうと、QRコードは読み取れてもリンク先にアクセスできなくなるリスクがあります。信頼できるサービスを選ぶことが重要です。
  2. 利用料金: 高機能なサービスや、一定以上のアクセス数が見込まれる場合は、月額または年額の利用料金が発生することがあります。無料プランもありますが、機能制限(アクセス解析不可、変更回数制限など)がある場合が多いです。
  3. インターネット接続が必須: ユーザーがQRコードをスキャンしてから目的のURLに到達するまでに、必ずインターネット経由で中継サーバーにアクセスする必要があります。オフライン環境では利用できません(ただし、これは静的QRコードでWebサイトにリンクする場合も同様です)。
  4. リダイレクトによる僅かな遅延: 中継サーバーを経由するため、静的QRコードに比べて表示までにわずかな遅延が発生する可能性がありますが、通常は体感できるほどの差はありません。

可変QRコードの作り方

可変QRコード(動的QRコード)は、専用の作成サービスを利用して作ります。

可変QRコードにおすすめのサービス

多くのサービスが存在しますが、ここではいくつかおすすめのサービスをご紹介します。(全て無料の日本製のサービス)

  • 複数のURLを入力可能 | QR TOOL
  • 初心者に親切 | QRのススメ
  • 分析機能がついている | クルクルManager

それぞれの特徴を解説します。

1. QR TOOL | 複数のURLを入力可能

QR TOOLでは複数のURL(上限50件まで)を一つの可変QRコードにすることができるのが特徴です。例えば店舗HPのURLと運用しているSNSを一つのQRコードにまとめることができるのが便利です。

アカウント登録も不要なので気軽に試すことができます。

利用方法: 

  1. 可変(動的)QRコード作成ページへアクセス
  2. 必要な数のリンクを設定(URL・ボタンのテキスト・アイコン)1~50件
  3. タイトル(例: 店舗名)・説明(例: インスタグラムのフォローをお願いします)を必要に応じて設定
  4. 発行されたQRコードを必要に応じて編集

[画像: 可変QRコード作成画面]

可変QRコード作成画面

[画像: リンクを設定 > 次へ]

リンクを設定 > 次へ

[画像: タイトル・説明を設定]

 タイトル・説明を設定

以上の手順で簡単に可変QRコードを作成することができます。

QR TOOLで作成できる可変QRコードの例

出典: QR TOOL

変更方法: 

  1. 可変QRコード作成機能へアクセス
  2. 「新規作成」「既存のQRを変更」から「既存のQRを変更」を選択
  3. 作成時に発行されたURL・PWを入力し「編集を開始する」をクリック
  4. 以降作成時と同様
QR TOOLの可変QRコードの変更方法

2. QRのススメ | 初心者に親切

二つ目に紹介するのがQRのススメです。

こちらのサービスの特徴としては初心者にはありがたい説明が多いことです。

発行されるパスワードを忘れた場合でもメールアドレスで復活できるようです。

QRのススメ

出典: QRのススメ

3. クルクルManager | 分析機能がついている 

三つ目に紹介するのがクルクルManagerです。このサービスの特徴としては分析機能が手軽に利用できることです。シンプルなアクセス数の分析のみであればこちらのサービスでOKです。

他のQRコードのアクセス分析の方法は以下の記事でご紹介しています。

GoogleアナリティクスでQRコードからのアクセスを解析する方法

クルクルManager

出典: クルクルManager

それぞれの可変QRコードサービスの比較

それぞれの特徴を比較表にまとめました。

サービス名
QR TOOL
QRのススメ
クルクルManager
アカウント登録
不要
不要(復帰用メールアドレス入力)
必要
複数URL
対応
非対応
非対応
分析機能
GoogleAnalyticsで実現可能
GoogleAnalyticsで実現可能
アクセス回数の記録が可能

可変QRコードの活用事例

可変QRコードは、様々なシーンでそのメリットを発揮します。特に簡単に再印刷・再制作することができないような場面で役に立つと言えます。

  • マーケティング・販促:
    • チラシやポスターに掲載し、キャンペーン期間や内容に合わせてリンク先を変更。
    • 商品パッケージに掲載し、購入者限定コンテンツや関連商品情報へ誘導。時期によって内容を更新。
  • イベント・セミナー:
    • イベント告知物に掲載し、最初は概要ページ、開催直前は会場アクセス、終了後はアンケートや資料ダウンロードページへリンク先を変更。
  • 名刺:
    • 自身のポートフォリオやSNSアカウントへのリンクを掲載。転職や部署異動があっても名刺を刷り直さずに済む。
  • 飲食店:
    • テーブルに設置し、ランチ/ディナーメニューや、季節限定メニュー、テイクアウト情報などへ切り替え。
  • 不動産:
    • 物件の看板に設置し、最初は物件詳細ページ、成約後は非表示にするか、近隣の別物件情報へ変更。
  • 製品マニュアル・サポート:
    • 製品本体や保証書に掲載し、取扱説明書、FAQ、サポート窓口など、常に最新の情報へアクセスできるようにする。

まとめ: 可変QRコードを最大限活用しましょう!

可変QRコード(動的QRコード)は、一度作成・印刷した後でもリンク先を自由に変更できる非常に便利なツールです。

  • 仕組み: 中継サーバーを経由して目的URLへリダイレクトさせる。
  • メリット: コスト削減、柔軟な情報更新、アクセス解析、長期利用が可能。
  • デメリット: サービスへの依存、利用料金の可能性、ネット接続必須。
  • 作り方: 専用の作成サービスを利用する。

印刷物の差し替えコスト削減や、タイムリーな情報提供、マーケティング効果測定など、ビジネスや情報発信の様々な場面で役立ちます。

ぜひ動的QRコードの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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QR WORLD(QRワールド) 編集部

QRコード・バーコードの生成・読み取りシステムを開発してきた経験からお役立ち情報を発信しています。

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