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QRコードは、セルと呼ばれる白と黒の小さな正方形の集まりで構成されています。
この白黒のセルが、コンピューターが理解できる「0」と「1」のバイナリデータに対応しており、これが情報を表現する基本単位となります。黒いセルが「1」、白いセルが「0」といった具合に(あるいはその逆で、これは読み取り時に判断されます)、膨大な量の0と1を二次元的に配置することで、数字、アルファベット、漢字、URLなど、様々なデータを格納できるのです。
QRコードには、単にデータを並べるだけでなく、正確な読み取りを助けるための重要な以下のパターンが配置されています。
それぞれについて解説します。
QRコードの四隅のうち3箇所にある、大きな「回」のような正方形のパターン。
このパターンがあるおかげで、360度どの向きからでも、斜めから撮影しても、コードを正確に認識できます。
ファインダーパターンよりは一回り小さい「回」のようなパターン。コードのバージョン(サイズ)が大きくなると、複数配置されます。
バージョンが低い場合は右下から配置されます。
なお、開発当初のQRコードモデル1にはアライメントパターンがありませんでした。
参考記事: QRコードのモデル1・モデル2とは?見分け方や特徴を解説
QRコードが歪んでいる場合でも、座標を正確に補正する。特に大きなQRコードや、曲面に印字されたQRコードを読み取る際に重要です。
2つのファインダーパターンを結ぶように配置された、白黒のセルが交互に並んだ線状のパターン(L字型)。人間の目では他のセルに紛れて規則正しいタイミングパターンが認識しにくいですが、実は画像の赤いセルように規則正しく並んでいます。
各セルの中心座標を特定するための基準線となります。これにより、どこが何行何列目のセルなのかを正確に把握できます。
ファインダーパターンのすぐ近く。
QRコードの「誤り訂正レベル」(後述)と、後述する「マスクパターン」の種類に関する情報を格納しています。読み取りの初期段階でこの情報を取得し、その後のデータ解析に利用します。
バージョンはQRコードの一辺あたりのセル数で確認することができます。
例である上記の画像のQRコードは29x29セルなのでバージョンは「3」です。
参考記事: QRコードのバージョンとは?データ容量から確認方法まで徹底解説
バージョンが大きいほど、格納できるデータ量が多くなります。
QRコードに格納したい情報(URL、テキストなど)は、以下のステップを経てセルパターンに変換されます。
QRコードの大きな特徴の一つが、誤り訂正機能です。これは、コードの一部が汚れたり、破損したりして読み取れなくなっても、データを復元できる仕組みです。
名刺やチラシなどに使用する分には基本的には「レベルM」、屋外や反射・汚れ・欠損などがある状況ではレベルQ/Hを検討するとよいでしょう。
私たちがスマホのカメラでQRコードを読み取る際、内部では以下のような処理が高速で行われています。
これら一連の処理が、私たちがシャッターを押してから(あるいはカメラをかざしてから)一瞬のうちに行われているのです。
参考記事:
QRコードの仕組みについて解説しました。単なる白黒の模様に見えるかもしれませんが、その裏側には、
といった、高度な技術が凝縮されています。
普段何気なく利用しているQRコードが、このような精密な仕組みで成り立っていることを知ると、より一層その便利さや技術の進歩を感じられるのではないでしょうか。次にQRコードを使う際には、ぜひそのパターンに隠された「仕組み」にも思いを馳せてみてください。
QR WORLD(QRワールド) 編集部